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社用携帯の位置情報はどこまで管理できる?
取得方法・注意点とMDMの活用方法を解説

はじめに

外勤営業や配送、保守点検など、社外で業務を行う従業員を抱える企業にとって、「今どこにいるのか」を把握できないことは、業務効率と危機管理の両面で悩みの種になります。端末を紛失した際にすぐ探し出せない、現場に近い担当者がわからず対応が遅れる、繁忙期に人員の配置が最適化できない、といった課題を抱える企業は少なくありません。

一方で、位置情報は従業員の行動そのものに関わる情報でもあり、取得・管理の仕方を誤ると、プライバシー侵害や社内トラブルの原因にもなります。「業務上の必要性」と「従業員のプライバシー」のバランスをどう取るかは、位置情報管理を検討する全ての企業が向き合うべきテーマです。

本記事では、社用携帯の位置情報管理について、取得方法の種類、企業が押さえておくべき注意点、起こりやすいトラブルとその防ぎ方、そしてMDM(Mobile Device Management)を活用した具体的な管理方法までを整理して解説します。これから位置情報管理の導入を検討している企業はもちろん、すでに運用しているものの改めてルールを見直したいという企業にも参考にしていただける内容です。

1. 社用携帯の位置情報管理とは

社用携帯の位置情報管理とは、会社が支給したスマートフォンやタブレットの現在地や位置履歴を、管理者が把握できるようにする仕組みを指します。

代表的な利用シーンとしては、端末の紛失・盗難が発生した際の捜索、外勤従業員の稼働状況の把握、配送・訪問業務におけるルートや到着状況の確認などが挙げられます。いずれも「業務上必要な情報を、必要な範囲で確認する」ことが目的であり、従業員の私生活や行動を監視することとは本質的に異なります。

位置情報の取得方法にも幅があります。管理者が必要なタイミングで一回だけ現在地を取得する方式もあれば、一定間隔で継続的に位置情報を更新し、移動の履歴を記録していく方式もあります。前者は「今どこにいるか」をピンポイントで確認したい場合に、後者は「どのように移動してきたか」を後から振り返りたい場合に適しており、業務内容によって求められる取得方式は変わってきます。

位置情報管理を導入・運用する際にまず整理すべきなのは、「なぜ位置情報を取得するのか」という目的です。目的が曖昧なまま仕組みだけを導入すると、後述するようなトラブルにつながりやすくなります。

2. 企業が社用携帯の位置情報を管理する目的

企業が社用携帯の位置情報を管理する目的は、大きく分けて以下のようなものがあります。

  • 紛失・盗難された端末の捜索:端末がどこにあるかを特定し、早期回収や情報漏えい対策につなげる
  • 外勤従業員の現在地確認:営業や訪問サービスなど、社外で働く従業員の稼働状況を把握する
  • 訪問先・配送先への到着状況の確認:予定通りに現場へ到着しているかをリアルタイムで確認する
  • 緊急時における従業員の安否確認:災害や事故が発生した際に、従業員の所在を迅速に確認する
  • 近隣担当者への案件振り分け:急な問い合わせや対応が発生した際、現場に近い担当者へ効率よく割り振る
  • 移動状況の確認による業務効率化:移動ルートやかかった時間を可視化し、業務プロセスの改善に役立てる

これらに共通するのは、「位置情報の取得そのもの」がゴールではなく、「解決したい業務課題」が先にあるという点です。位置情報管理を検討する際は、まず自社が抱える課題(端末紛失への不安なのか、外勤業務の非効率なのか、緊急時対応の遅れなのか)を明確にし、その課題解決に必要な範囲で位置情報を活用する、という順序で考えることが重要です。目的が明確であれば、後述する「取得範囲」や「保存期間」といった運用ルールも自然と定まりやすくなります。

3. 社用携帯の位置情報を取得する主な方法

社用携帯の位置情報を確認する方法には、スマートフォンの標準機能、通信キャリアが提供するサービス、位置情報共有アプリ、そしてMDMなど、いくつかの選択肢があります。それぞれ得意とする用途や管理の粒度が異なります。

管理方法主な用途管理上の特徴
OSの標準機能紛失した端末の捜索端末・アカウント単位での管理が中心
通信事業者のサービス紛失・盗難時の位置確認契約回線ごとの手続きが必要
位置情報共有アプリ外勤・配送業務の確認業務に特化した機能を利用しやすい
MDM位置情報と端末情報の一元管理複数の社用端末を管理画面から確認

OSの標準機能は、iOSの「探す」やAndroidの「デバイスを探す」のように、端末やGoogle・Appleアカウントに紐づいた形で位置情報を確認できる仕組みです。個人利用の延長として手軽に使える一方、端末が増えるほど「1台ずつ確認する」運用になりがちで、組織的な一括管理には向きません。

通信事業者のサービスは、契約回線をもとに紛失・盗難時の位置確認をサポートするもので、緊急時の最終手段として活用されることが多い方法です。ただし回線ごとに個別の手続きが必要になるケースが多く、端末台数が多い企業では手間がかかります。

位置情報共有アプリは外勤・配送業務に特化した使い勝手のよさが魅力で、地図上でのリアルタイム表示やルート記録など、現場業務に寄り添った機能を備えているものが多く見られます。ただし、端末そのもののセキュリティ管理(パスコード強制やリモートワイプなど)までは担わないため、位置情報以外の管理はほかの手段で補う必要があります。

複数の社用端末を管理する企業では、位置情報だけでなく端末情報・セキュリティ設定までを一つの画面で扱えるMDMが、管理工数の観点で有力な選択肢になります。自社の端末台数や利用目的、どこまでセキュリティ対策を一体化させたいかに応じて、適切な方法を選ぶ必要があります。

4. 会社は従業員の位置情報を取得してもよいのか

社用携帯であっても、位置情報の取得方法や利用範囲によっては、従業員のプライバシーに関わる問題となり得ます。会社が支給した端末だからといって、無制限に位置情報を取得・利用してよいわけではありません。

位置情報を取得する場合は、少なくとも以下の内容をあらかじめ明確にし、社内でルール化しておくことが望まれます。

  • 位置情報を取得する目的:何のために、どの業務課題を解決するために取得するのか
  • 取得する対象者・端末:全社員が対象なのか、特定の業務・職種の従業員に限定するのか
  • 取得する時間帯:業務時間中のみなのか、勤務時間外も含めるのか
  • 取得情報を閲覧できる管理者:誰が、どの権限で位置情報を閲覧できるのか
  • 位置履歴の保存期間:どのくらいの期間、履歴データを保持するのか
  • 取得情報の利用範囲:業務管理以外の目的(人事評価など)に転用しないことの明示
  • 退職・異動時の取扱い:対象から外れた際のデータの扱い
  • 従業員からの問い合わせ窓口:疑問や不安が生じた際に相談できる窓口の設置

ポイントは、業務時間外も含めて常時取得するのではなく、目的の達成に必要な範囲に限定するという考え方です。就業規則や社用端末利用規程にこれらの内容を明記し、従業員へ事前に説明した上で運用を開始することが、トラブルの予防につながります。特に、勤務時間外や休憩時間中の位置情報まで取得してしまうと、業務上の必要性を超えた監視ととられかねないため、取得タイミングの設計は慎重に行う必要があります。

5. 位置情報管理で起こりやすいトラブル

社用携帯の位置情報管理では、「位置情報を取得すること自体」よりも、「運用ルールが不明確なこと」によってトラブルが起こりやすくなります。

代表的な問題として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 従業員へ説明せずに位置情報を取得する:導入時に目的や範囲を周知しないまま運用を始めてしまう
  • 業務時間外の行動を確認する:休日や勤務時間外の移動履歴まで確認してしまう
  • 本来の目的とは異なる人事評価に利用する:紛失対策として導入したはずが、勤怠管理や評価の材料に流用される
  • 管理者が必要以上に位置履歴を閲覧する:業務上必要な範囲を超えて、興味本位で履歴を確認してしまう

これらのトラブルの多くは、「技術的に取得できる範囲」と「企業が実際に取得・利用すべき範囲」を区別せずに運用してしまうことに起因します。MDMなどのツールは高精度な位置情報を継続的に取得できますが、それをどこまで、誰が、何のために使うかは、あくまで企業側の運用設計次第です。導入前にこの2つを切り分けて設計しておくことが、健全な運用の第一歩となります。

また、こうしたトラブルは一度発生すると、従業員の会社に対する信頼を損ない、位置情報管理そのものへの反発を招く恐れもあります。運用ルールを定めるだけでなく、実際にルール通りに運用されているかを定期的にチェックする体制を持つことも、トラブル予防の観点では欠かせません。

6. MDMによる位置情報管理とは

MDMを利用すると、会社が管理する複数のスマートフォンやタブレットを管理画面に登録し、位置情報や端末情報をまとめて確認できます。

位置情報管理以外にも、端末の利用者、電話番号、OSバージョン、インストール済みアプリといった情報を、端末情報と関連付けて一元的に管理できる点がMDMの特長です。台帳が複数のツールやスプレッドシートに分散していると、端末の状況を把握するだけでも手間がかかりますが、MDMであれば管理画面上で横断的に確認できます。

また、端末の紛失・盗難が発生した場合には、位置情報の確認だけでなく、リモートロックやデータ消去(ワイプ)などのセキュリティ対応と組み合わせて実行できる点も重要です。位置を特定して終わりではなく、「回収できない場合にどう情報漏えいを防ぐか」まで一連の流れとして対応できることが、MDMを使う大きなメリットになります。

MDMの位置情報機能には、管理者が必要なタイミングで一度だけ取得する方式と、一定間隔で自動的に更新し続ける方式があります。前者は端末紛失時のようなスポット的な確認に、後者は外勤従業員の日々の稼働状況把握や移動履歴の記録に向いています。用途に応じてこれらを使い分けられるかどうかも、MDM選定時に確認しておきたいポイントです。

なお、利用できる位置情報機能や取得条件(取得間隔、権限の許可レベルなど)は、OS(iOS/Android/Windows)や端末、管理方式、権限設定などによって異なります。特にiOSでは、端末側で位置情報取得の権限(常に許可/使用中のみ許可など)をユーザーが選択できる仕組みになっているため、継続的な位置情報取得を行いたい場合は、権限設定について従業員への案内も含めて事前に確認しておくことが必要です。

7. OPTiM Bizでできる社用携帯の位置情報管理

OPTiM Bizでは、管理対象端末の位置情報を取得し、管理画面上で確認できます。過去に取得した位置情報の履歴も確認できるため、端末の所在確認だけでなく、外勤業務の移動状況の把握にも活用できます。

管理上の課題OPTiM Bizによる対応
社用携帯がどこにあるか分からない管理画面から端末の位置情報を確認
毎回従業員へ電話して現在地を聞いている管理者が管理画面から状況を確認
過去の移動状況を確認したい取得した位置情報の履歴を確認
端末紛失時の情報漏えいが心配位置確認とリモートロック・ワイプを組み合わせる
端末情報が複数の台帳に分散している端末情報と位置情報を一元管理

OPTiM Bizの強みは、位置情報の確認単体ではなく、アプリ利用制限、パスコード設定、リモートロック・ワイプといった他のセキュリティ機能と組み合わせて運用できる点にあります。端末の「今どこにあるか」を確認しつつ、必要であればその場でセキュリティ対応に移行できるため、社用携帯の管理とセキュリティ対策をまとめて一つの画面で行えます。

管理画面はiOS・Android・Windowsといった複数のOSに対応しており、端末の種類が混在する環境でも、位置情報を含めた端末情報を同じ画面上で横断的に確認できる点も、複数の部署・拠点で端末を運用する企業にとって扱いやすいポイントです。

8. OPTiM Bizを活用した位置情報管理の運用例

業種や業務内容によって、位置情報管理の活用のされ方は異なります。ここでは代表的な運用例を紹介します。

運送・配送業

ドライバーへ電話をかけずに現在地を確認できるため、配送状況の把握や、次の案件をどのドライバーに割り振るかといった判断を効率的に行えます。従来は電話で都度確認していた現在地確認の手間が減り、ドライバー側も運転中に電話対応をする必要がなくなるため、安全面でもメリットがあります。

営業・訪問サービス

訪問先に近い担当者を確認できるため、急な問い合わせや現地対応が発生した際に、対応可能な担当者へ効率的に割り振ることができます。担当エリアをまたいだ急な代打対応や、緊急のクレーム対応など、スピードが求められる場面で力を発揮します。

建設・保守点検

現場作業員が携帯する端末の位置を確認することで、現場への到着状況の把握や、緊急時の安否確認に活用できます。複数現場を掛け持ちする作業員の稼働状況を本部側で把握できるため、人員配置の調整にも役立ちます。

端末の紛失・盗難対応

端末の位置を確認し、現場での回収が難しい場合は、リモートロックやワイプを実行することで、情報漏えいのリスクを抑えられます。位置確認からセキュリティ対応までを同じ管理画面内で完結できるため、対応までのタイムラグを最小限に抑えられます。

9. 位置情報管理を導入する際の進め方

社用携帯の位置情報管理を導入する際は、システムの設定から始めるのではなく、以下のような順番で進めることをおすすめします。

  1. 位置情報を取得する目的を明確にする:紛失対策なのか、外勤業務の効率化なのかを整理する
  2. 対象となる従業員・端末を決める:全社一律ではなく、業務内容に応じて対象範囲を検討する
  3. 取得時間帯や保存期間を定める:業務時間内のみとするか、履歴を何カ月保持するかを決める
  4. 閲覧できる管理者を限定する:必要な役職・部署にのみ閲覧権限を付与する
  5. 就業規則や社用端末利用規程へ反映する:決めたルールを文書として明文化する
  6. 従業員へ取得目的と運用方法を説明する:導入前に説明の機会を設け、疑問に答える
  7. 一部の端末で試験運用する:本格導入の前に、小規模な範囲で運用を試す
  8. 運用状況を定期的に見直す:ルール通りに運用されているか、目的とずれていないかを確認する

システムを設定する前に、位置情報の利用目的と社内ルールを決めておくことが、後々のトラブルを防ぎ、従業員の納得感を得た上で運用を始めるために重要です。試験運用を挟むことで、想定外の使い勝手の問題や、ルールの抜け漏れにも事前に気付くことができます。

10. よくある質問

Q. 社用携帯の位置情報を取得することに、従業員の同意は必要ですか?

法律上の要件は個別の状況によって異なりますが、無用なトラブルを避けるためにも、事前に目的と範囲を説明し、従業員の理解を得た上で運用を始めることが望ましいとされています。就業規則や利用規程への明記もあわせて検討しましょう。

Q. 私用のスマートフォンでも同様の管理はできますか?

私物端末(BYOD)の場合、会社支給端末と比べてプライバシーへの配慮がより一層求められます。業務用アプリの領域のみを管理対象とする、位置情報取得の範囲を業務用アプリの利用中に限定するなど、私用領域と業務領域を明確に分けた設計が重要になります。

Q. 位置情報の取得頻度はどのくらいが適切ですか?

業務内容によって適切な頻度は異なります。紛失対策が目的であれば、必要なタイミングで一度だけ取得できれば十分な場合が多く、外勤業務の稼働状況把握が目的であれば、一定間隔での継続的な取得が有効です。取得頻度を上げるほど端末のバッテリー消費や通信量にも影響するため、目的に見合った頻度を選ぶことが大切です。

Q. 導入コストはどのくらいかかりますか?

利用するMDM製品やプラン、管理する端末台数によって異なります。位置情報管理単体のツールよりも、端末管理・セキュリティ対策を含めたMDMのほうが、トータルでの運用コストを抑えられるケースもあるため、自社の課題に照らして比較検討することをおすすめします。

11. まとめ

社用携帯の位置情報管理は、紛失・盗難への対応や外勤業務の効率化に役立つ一方で、従業員の行動に関わる情報でもあるため、慎重な運用が求められます。取得目的、対象時間、閲覧権限、保存期間などをあらかじめ明確にし、必要な範囲で利用することが、企業と従業員の双方にとって納得感のある運用につながります。

OPTiM Bizを活用することで、社用携帯の位置情報と端末情報を一元的に確認できるだけでなく、紛失時のリモートロック・ワイプやアプリ管理といったセキュリティ対策もまとめて実施できます。 位置情報管理の導入を検討している企業は、まず自社の課題を整理した上で、OPTiM Bizのような一元管理ツールの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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