2025年9月10日、MDM・PC管理サービス「OPTiM Biz」に、「社内ITサポート用AIチャットエージェント」が新たに追加されました。
プレスリリース:https://www.optim.co.jp/newsdetail/20250910-pressrelease-01

この記事では、「OPTiM Biz 社内ITサポート用AIチャットエージェント」の活用方法を具体的にご説明します。

OPTIM BizのAIチャットエージェント紹介バナー。「IT問い合わせ対応業務の効率化と社員満足度の向上を実現」と記載されている。

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」とは

情報システム部門の皆さま、日々、従業員から寄せられる問い合わせ対応に課題を感じていませんか?
「OPTiM Biz 社内ITサポート用AIチャットエージェント」は、社内のIT関連の問い合わせやトラブルに対応できる自社専用のAIチャットボットを作成できるサービスです。
従業員が業務中に感じるIT環境の利用方法についての困りごとや疑問を、自然な会話形式で解決することができ、必要な情報へスムーズにたどり着ける環境を提供します。

このサービスは、「OPTiM Biz」をご利用のユーザーであれば追加費用なしで利用可能です。
MDMを中心とした端末管理に加え、社内の情報検索や問い合わせ対応をAIがサポートすることで、情報システム部門のDX化を実現します。

ご登録の方法からご利用開始まではこちらをご覧ください。
MDMガイド「問い合わせを減らす!IT部門向け:AIチャットボット導入マニュアル【MDM連携編】」

情報システム部門の実態と課題

ではこの「社内ITサポート用AIチャットエージェント」は、社内でどのように活用できるのでしょうか。
まずは、情報システム部門における実態と課題を見ていきましょう。
以下は弊社の調べによる情報システム部門の平均的な業務の割合です。

情報システム管理者の業務割合を示す円グラフ。IT問い合わせ対応が31%で最多

IT戦略・IT投資計画の策定、新システムの企画・導入、DX推進など、企業の成長に直結する重要な業務の割合が20%に留まります。
その他8割は社内ヘルプデスク(問い合わせ対応)、PCやスマホのセットアップ、資産管理、セキュリティ・障害対応など、日々の運用やサポートにかかわる業務です。
特に、従業員からの問い合わせ対応が31%と高い割合を占めています。

問い合わせ対応には、次のような具体的な課題があります。

1. 従業員からの問い合わせ対応で一日が終わる

PCの使い方やパスワード忘れなどの問い合わせが頻繁にあり、対応に追われて重要な業務が進まないこともしばしば起こりえます。

2. 時間外や休日対応が発生し、業務負荷が高い

問い合わせ対応の担当者が少人数であることも多く、時間外や休日でもインシデント対応や障害対応に追われることがあります。
精神的・肉体的な負担が大きくなりがちです。

3. ナレッジが属人化する

問い合わせ対応のノウハウが担当者の経験に依存し、マニュアル化や共有がなかなか進みません。
その結果、問題が再発し、担当者が不在の際に誰も対応できなくなるリスクが高まります。

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」が課題を解決

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」は、ナレッジを蓄積・共有し、問い合わせ対応をスムーズに自動化します。
例えばこのサービスを導入することで、先ほど挙げた課題を以下のように解決できます。

1. 繰り返しタスクを自動化し、工数を削減する

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」が定型的な質問に自動的に回答することで、問い合わせ対応にかかる時間を大幅に削減できます。
削減した時間で他の業務に集中できるようになります。

2. 24時間365日対応でサポート品質を向上する

従業員は、時間や場所を気にせず、いつでも質問できます。
従業員の自己解決率が向上し、情報システム部門への問い合わせ件数も減少します。

3. ナレッジベースを構築し、属人化を防ぐ

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」に蓄積されたQ&Aは、そのまま共有可能なナレッジベースとなります。
個人の経験に頼ることなく、組織全体で情報を共有し、効率的な運用が可能になります。

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」の安心・便利な機能

以下の機能により、安心かつ便利に「社内ITサポート用AIチャットエージェント」をご活用いただけます。

チャットボット利用ユーザー数は無制限

AIチャットエージェントを示すアイコンと、3人の利用者を表すシンプルな人物アイコンのイラスト。

どれだけ多くの社員が利用しても、ユーザー数増加による追加費用は一切かかりません。
企業規模や利用者の数に関わらず、少人数のチームから、大規模な組織まで、幅広く安心してご利用いただけます。

AIチャットエージェントを示すアイコンと、3人の利用者を表すシンプルな人物アイコンのイラスト。

初期設定なしでも使える&アップロード操作のみで簡単構築

マニュアルアップロード案内画像。「このマニュアルの内容を答えさせたい…」「マニュアルをアップロードするだけ!」と記載されている。

登録後すぐに、ChatGPTやGeminiといったLLMと同じようにAIとの会話を始めることが可能です。
一般的なIT関連の問い合わせ対応に関しては、設定なしで十分ご利用が可能です。

自社専用の回答をしたい場合は、お手持ちの資料やマニュアルをアップロードするだけで、AIが質問に対する回答の参照情報として覚えます。
複雑な設定やAIに関する専門知識は一切不要で構築できます。

安心のセキュリティ

ISO/IEC27001認証マーク

サービスを通じてお客様が入力されたデータはAIのモデル学習等に利用されません。
弊社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)のISO27001認証を取得済みのため、国際標準に基づいた運用体制で安心をお届けします。

ISO/IEC27001認証マーク

AIチャットボットをご利用いただいたお客様の声

製造業のお客様に社内の問い合わせ対応の用途として、AIチャットボットをご利用いただきました。
その際、今までの「探す」という作業が「聞く」に変わりました、というお客様の声が印象的でした。
今までであれば、社内マニュアルや規定を検索した上で該当文章を読む必要があり、検索ワードも文章内で使用されている単語でないとヒットしないなど、煩雑なことが多かったようです。

しかし、AIチャットボットでは、多少の文章や単語の揺らぎはAIが解釈してくれて、適切な情報を引き出します。
普段話すような口調で質問するだけで、欲しい情報が手に入るようになったことが、お客様の「探しやすさ」に直結しました。

社内ITサポート用AIチャットエージェントの利用イメージ。左側に「パスワードをリセットしたい」「エラーコードの対処法が知りたい」と吹き出しで表示され、右側にチャットボット画面で対応手順が示されている。

活用時のよくあるお悩みと解決ポイント

AIチャットボットの導入時に多くの方が直面する主な課題と、その解決ポイントをご紹介します。

ノートパソコンのイラスト。画面に「AI」と星のアイコンが表示されている。
登録データが不十分で、回答精度が低い
→ 導入前に明確な目的設定と、求める成果を整理する

AIチャットボットの性能は、投入するデータの質と量に左右されるため、精度の向上には、十分な量のデータや、質の高い情報を用意する必要があります。
しかし、どのようなデータであれば精度が向上するかは、AIチャットボットの目的や求める成果によって異なります。

まずは導入前に明確な目的設定と、それによって得たい成果を具体的に整理しましょう。
それによって、用意すべきデータが定まります。

以下にいくつか例を挙げます。

目的・成果・必要データ一覧
目的 得たい成果 用意すべきデータの具体例
問い合わせ対応の工数削減 電話やメールの対応件数を30%削減する。
  • 既存のFAQ(よくある質問と回答)データ
  • 過去のメールや電話応対ログ(実際の質問と最適な回答のペア)
新入社員・中途社員のオンボーディング効率化 新入社員・中途社員と教育担当者間の質問対応時間を50%削減する。
  • 社内規程、就業規則の文書
  • 社内の組織図、各部署の業務内容リスト
  • 社内システムの利用方法に関するQ&A
FAQの利用促進とセルフサービス化 チャットボット単体での「問題解決率」を70%以上にする。
  • 質問の意図を学習させるための「多様な言い回し」登録(例:「動かない」「フリーズ」「起動しない」などを同一意図として登録)
  • 既存FAQの「解決に至らなかった質問」のログ
従業員の社内ヘルプデスク利用体験の改善 IT部門へのパスワードリセットや備品申請に関する質問の平均応答時間を5分以内にする。
  • 申請書や承認フローの詳細
  • 簡単なトラブル対応手順(例:プリンターが動かない、Wi-Fiに繋がらない)
ノートパソコンのイラスト。画面に「AI」と星のアイコンが表示されている。
現場に定着せず、本導入に至らない
→ 現場の利用を前提とした業務フローを再設計する

AIチャットボットを試しに導入したものの、現場の従業員に使われず、本導入に至らないケースがあります。
AIチャットボットを定着させるためには、既存の問い合わせフローの中に配置したり、社内情報が集約されているポータルなどの目に付きやすいところに配置したり、などユーザーが自然に気付いて違和感なく利用できる導線を意識することが重要です。

MDMで管理している端末に一括でWebアプリケーションとして配布する方法も挙げられます。
具体的な方法はこちらの記事もご参照ください。
MDMガイド「問い合わせを減らす!IT部門向け:AIチャットボット導入マニュアル【MDM連携編】」

ノートパソコンのイラスト。画面に「AI」と星のアイコンが表示されている。
AIへの過度な期待で、導入効果が過小評価される
→ 適切な評価指標を定めて、導入効果を定量的に把握する

導入効果を正しく評価するためには、適切な評価指標をあらかじめ設定することが重要です。例えば、以下のような指標を設定します。

  • 問い合わせユーザーの自己解決率
  • 担当者へのエスカレーション件数減少率
  • 問い合わせ対応時間の短縮率

これらの指標を定期的に取得・モニタリングすることで、チャットボットの導入効果を定量的に把握できます。

以上のポイントを抑えて「社内ITサポート用AIチャットエージェント」を活用していきましょう。
お困りの際は、弊社にてサポートいたしますので、いつでもお気軽にご相談ください。

シーン別お役立ちガイトリンク集

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」をより活用するために、以下のお役立ちガイドもぜひ、ご参照ください。

その他、AIチャットボットに関するお役立ちガイドは以下のボタンからご覧ください。

まとめ

「社内ITサポート用AIチャットエージェント」は導入してすぐに役立ちますが、導入後もPDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことで、単なるQ&Aツールではなく、従業員にとって不可欠な「24時間稼働する優秀なアシスタント」へと成長していきます。
ぜひ積極的に活用し、その効果を感じてください。

今後もOPTiM Bizは、ユーザーの皆様のご要望を反映しながら、より使いやすく、より安全なサービスを目指して進化を続けてまいります。引き続きご期待ください。

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