OPTiM お役立ち情報

研究シーズを“見せる・つなげる”仕組みを構築、
産学連携プラットフォームを実現

導入理由

  • 初期提案から自社イメージに近く、構想段階から一緒に形にしてくれる柔軟さがあった
  • 複数の大学に広げていくことを考えると、大規模ツールより圧倒的に安いコストで実現できる

導入効果

  • 情報の粒度がバラバラで比較しにくかった研究シーズ※1を、統一フォーマットで23件公開
  • 100名規模のピッチイベントでVC※2とのマッチングに成功。早い段階でプラットフォームの価値を実証
  • 情報の入力と公開承認を分けることで、安全に情報を管理できる体制を構築
  • ヘルスケア関連企業から参加意向の声があり、取り組みに対する反響の大きさがうかがえた

※1 シーズ(研究シーズ):大学や研究機関が持つ研究成果や技術で、将来的に事業化・製品化が期待できるもの
※2 VC(ベンチャーキャピタル):スタートアップ企業や新規事業に投資を行う投資会社

「OPTiM Support & Growth Portal」を活用して、専門性の高い情報の整理・公開・接点創出を実現

福岡地所株式会社では、九州大学と共同で創薬に関する研究成果を事業化支援するためのイノベーションハブ※3を準備する中で、研究シーズをどう見せるか、どう出資者につなげるかという課題を抱えていました。 東京・大阪と比べて九州はVCや事業開発担当者が少なく、シーズ情報の粒度もバラバラで比較しにくい状況でした

OPTiM Support & Growth Portal」の標準機能を活用することで、VCや製薬会社が使う共通言語「TPP※4」の形式でシーズ情報を整理し、見やすく管理できるプラットフォームを構築しました。導入後は、九州大学の産学連携部署との連携がスムーズに進み、公開前の段階ですでに23件のシーズが登録され、ピッチイベントでのマッチング成功や他企業からの参加希望など、初期段階から手応えを実感しています。

今回は、福岡地所株式会社の担当者様に導入前の課題や製品選定のポイント、現在の活用状況、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。

※3 イノベーションハブ:大学の研究成果を事業化するために、研究者・企業・投資家が集まり交流する拠点施設
※4 TPP(ターゲットプロダクトプロファイル):創薬研究において、開発目標とする医薬品の特性を定義したもの。効能、投与方法、安全性などを具体的に記載する

1. 導入背景と課題について

-導入背景、悩み、導入以前の課題感について教えてください。

九州大学の施設をもっと魅力的にしたいと考える中で、海外のインキュベーション施設※5を参考にしました。特にバルセロナのインキュベーション施設がシーズを管理・可視化している事例をベンチマークとし、「自社施設でもシーズをわかりやすく見える化できれば施設の魅力向上につながる」と考え、九州を中心とした創薬研究シーズを集約したデータベース「シーズプラットフォーム」 の開設に至りました。

※5 インキュベーション施設:スタートアップ企業や新規事業を育成・支援する施設

しかし、実際に進めようとすると、3つの課題が見えてきました。

1つ目は、地理的なアクセスの課題です。東京や大阪には事業開発の担当者がいてアクセスしやすいのですが、九州には人が少なく、シーズ情報を集めて発信する動きも弱い状況でした。

2つ目は、フォーマットの課題です。企業の創薬研究では「TPP」という形式が一般的なのですが、大学の研究者には馴染みがありません。正確に入力してもらえるか懸念がありました。

3つ目は、情報の粒度の課題です。VC等の出資者側からは、「各シーズの情報がバラバラで、比較しにくい」という声が上がっていました。

-その課題を解決するために、ポータルサイトの導入を検討された理由を教えてください。

従来は個別にメールや面談で情報共有していましたが、これではVCや製薬会社が複数のシーズを比較検討することが困難でした。ポータルサイトであれば、TPP形式で統一されたシーズ情報を一覧で閲覧でき、出資者側が自分のタイミングで情報にアクセスできます。

また、九州という距離のハンディキャップを超えて、東京や大阪のVCにもデジタルでつながることができます。「九州のシーズ情報が一箇所に集まっているプラットフォーム」として、施設の強みにできると考えました。さらに、将来的に他の大学にも広げていくことを考えると、ポータルサイトが最適だと判断しました。

2. 製品選定について

-「OPTiM Support & Growth Portal」を選定された理由、製品を選定する際に重視したポイントを教えてください。

選んだ理由は主に2つあります。

1つ目は、最初の提案から「これならできそう」と思えたこと、そして柔軟に対応してくれる姿勢です。最初の見積もり依頼の段階で、自社のイメージに近い提案書が出てきました。「これなら回していけそう」という具体的なイメージが湧いたことが大きかったです。

また、仕様書を完全に固めてから依頼したわけではなかったのですが、構想段階から一緒に形にしていける柔軟性を感じました。実際、システムを作りながら進めた部分がありましたが、オプティム社側が電話等で素早く対応してくれたため、スムーズに進められました。ぼんやりとしたイメージを具体化していただけたのが非常にありがたかったです。

2つ目は、複数の大学に広げていく時のコスト面です。将来的に他大学にも展開することを見据えると、拡張性があるかどうかが重要でした。大規模な汎用ツールも検討しましたが、コストが桁違いに高く、複数大学に展開していくことを考えると現実的ではありませんでした。オプティム社の「OPTiM Support & Growth Portal」は、1大学だけでなく将来的に5大学、10大学と増やしていく際のコストが抑えられる点が決め手となりました。

3. 「OPTiM Support & Growth Portal」について

「OPTiM Support & Growth Portal」は、企業と顧客をつなぐデジタルプラットフォームです。企業向けに、製品サポート・販売促進・顧客管理を一元化するAIカスタマーポータルとして提供されており、その標準機能をさまざまな用途に転用できる柔軟性が特長です。

今回の導入では、「OPTiM Support & Growth Portal」の機能を活用し、創薬シーズという専門性の高い情報を整理し、必要な人に届け、マッチングまでつなげることができました。

この使い方は、研究シーズに限らず、製品情報、技術情報、案件情報、募集情報など、複数の関係者が関わる専門性の高い情報の管理にも応用できます。

主な機能:

  • コンテンツ管理機能

    研究シーズをTPP形式に統一して登録・公開できます。VCや製薬会社が使う共通言語でシーズ情報を整理することで、出資者側が複数のシーズを横比較しやすい環境を実現しました。

  • 権限管理機能

    情報の入力者と承認者(公開権限者)を分離して設定できます。九州大学産学連携部署(OIP)の担当者が入力し、確認者がチェックしてから
    公開する流れを構築することで、情報の質と安全性を両立しています。シーズごとに公開・非公開を切り替えられるため、段階的な情報開示も可能です。

  • 問い合わせ機能

    出資者候補が興味のあるシーズをフォローし、研究者への問い合わせを一元管理できます。研究者と事業会社・VCのマッチングを促進する仕組みとして機能しています。

創薬という特殊領域そのものではなく、専門情報を整理・権限管理し、関心を持った相手との接点づくりまで一気通貫で実現している点が、SGPの標準機能の汎用性です。

このように、「OPTiM Support & Growth Portal」は、業界や用途に応じてパターン化し、コンテンツに落とし込むことで、幅広い業界への活用が可能です。

4. 導入後の効果と成果

-実際の業務の中で、どのように「OPTiM Support & Growth Portal」を使われているか教えてください。

各大学の産学連携部門の担当者がシーズ情報を入力し、確認者が内容をチェックしてから公開するという流れで使っています。

具体的には、研究者から提供された情報を大学の入力担当者がTPP形式に整理してポータルに登録します。その後、公開権限を持つ確認者が内容を精査し、問題なければ公開承認を行います。この入力者と確認者を分離した権限設定により、情報の質と安全性を両立できています。

出資者候補側は、ポータル上で公開されたシーズを一覧で閲覧し、興味のあるシーズをフォローすれば最新情報を受け取れます。また、ピッチイベントの案内もポータル経由で行い、実際のマッチングにつなげています。

-導入により、課題はどのように解決されたかお聞かせください。また導入によって感じている効果があれば教えてください。

地理的な問題は、デジタルプラットフォームができたことで解決しました。東京や大阪のVCも九州のシーズ情報に自分のタイミングでアクセスできるようになり、ポータルで情報を確認してから興味のあるシーズに絞って連絡できる仕組みが実現しました。

フォーマットの課題も、ポータルの入力フォーマットをTPP形式に統一したことで解消されています。大学の担当者が統一して整理できるため、研究者に負担をかけずに企業側が求める形式での情報提供が可能になりました。

情報の粒度の課題については、 TPP形式で統一したことで、出資者が複数のシーズを見比べられるようになりました。「効能」「投与方法」「開発段階」などの項目が揃っているため、投資基準に合うシーズを効率的に探せます。

導入効果としては、まず、公開前の準備段階で23件の創薬シーズを登録できました。シーズの登録は今後さらに増やしていきます。また、先日実施したピッチイベント(100名規模)では、実際にVCとピッチ企業がマッチングにつながっており、プラットフォームの価値を早期に実証できました。通常のイベントでも50名程度の集客ができています。

予想外の良かった点として、九州のヘルスケア関連企業(医療法人)から、「自社でシーズプラットフォームを構築しようとしていたが、すでにあるならば参加したい」という反応があったことです。想定はしていたものの、公開前の段階で早期に副次的な効果がでてきたことは嬉しい驚きでした。

情報の入力と承認を分けたチェックの流れが作れたことも、大きな成果です。守るべき情報はしっかり管理しながら、スムーズに運用できています。

5. 今後の展望

-今後どのように活用していきたいですか。今後の構想や計画など、展望について教えてください。

ライフサイエンス分野のシーズが集まるプラットフォームとして育てていきたいと考えています。シーズプラットフォームに登録すればVCや事業会社と出会えて、資金調達につながる。そんな「ファーストペンギン」の成功事例を早く作り、それを広告塔として他の大学・研究機関を巻き込んでいきたいです。

現在、国のギャップファンド制度などもあり、大学が九州のアカデミアシーズを集める動きもあります。私たちとしては、単に大学同士のつながりだけでなく、「ファーストペンギン」、つまり実際にこのプラットフォームでVCとマッチングして事業化・企業化した成功事例を作ることが何より重要だと考えています。そうした実績があってこそ、他大学も「ここに登録すれば実がある」と感じてもらえると思います。

また、企業側からのリバースピッチ、つまり「うちの会社はこういう研究を求めています」という募集をイベント形式で行い、研究者と事業会社のマッチングを促進したいと考えています。実は、アカデミアの研究者が本当に求めているのは、資金だけではありません。共同研究先が持っている技術や設備、開発の基盤なんです。一つの研究室だけでは薬を作ることが難しくなってきている中で、企業の持つリソースと組み合わせることで初めて実用化に近づける。そんなマッチングの場として、短期的にはオンラインだけでなく、実際に会える場を重視したリバースピッチイベントを定期的に開催する予定です。

今後のイベントで実際のユーザーからのフィードバックを収集し、改善に活かしていく予定です。

-「OPTiM Support & Growth Portal」の利用を検討されている方々に対し、メッセージをお願いします。

産学連携や研究成果の事業化という分野でも、「OPTiM Support & Growth Portal」は標準機能の活用方法を変えるだけで対応できるプラットフォームです。

私たちの場合、ぼんやりとしたイメージを形にしていただけたのが非常にありがたかったです。仕様書をガッチリ固めて見積もりを依頼したわけではなく、構想段階から一緒に進めていきました。構想や資料はしっかり準備していましたが、システム構築に入って動きながら見えてくることも多く、そうした部分をオプティム社が柔軟に対応してくれました。

同じような課題を持つ企業や機関の方々には、まずオプティム社に相談してみることをお勧めします。今後もオプティム社と一緒に、より良いプラットフォームに育てていきたいと考えています。

事業創造部 田畑様

福岡地所株式会社(福岡県福岡市 1961年7月設立)

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