

「紙ベースで書類を管理しているのに、取引先からPDFでくださいと言われてしまった」
「紙の書類をPDF化するには、どんな方法があるんだろう…?」
上記のように、お悩みではありませんか?
昨今、政府によるDX化の推進や、リモートワークの普及により、書類のデータ化が進んでいます。紙のままで管理していたいと考えていても、否応なく書類のデータ化・PDF化が必要になる場面も出てくるでしょう。
では、実際のところ紙の書類をPDF化するには、どのような方法があるのでしょうか?結論からいえば、現在では以下4つの方法が挙げられます。
4つも方法があるのなら、すぐにでも書類のPDF化ができると考えますよね。しかし、書類の種類やPDF化をする目的、セキュリティ面まで考えて方法を選ばなければ、手間がかかるだけの結果になることも考えられます。
最悪の場合、機密保持がある書類が外部に流出してしまうリスクも考えられます。だからこそ必要になるのは、自社にとって最適なPDF化の方法が、4つの方法の中のどれなのかをしっかりと把握することです。
そこで本記事では、複数ある紙の書類をPDF化する方法の中から、自社に合った方法がどれになるのかを正しく把握できるようになるため、以下の点について解説していきます。
- ◎紙の書類をPDF化する4つの方法
- ◎各PDF化をする方法の手順や流れ
- ◎各PDF化をする方法のメリット・デメリット
- ◎各PDF化をする方法がおすすめの企業の特徴
この記事を読むことで、紙の書類をPDF化する方法はもちろん、自社にとって最適な方法でPDF化を実践できるようになるはずです。
紙の書類をPDF化する方法について調べているのであれば、ぜひ参考にしてください。
1. 紙の書類をPDF化する4つの方法
企業が用いる紙の書類をPDF化するには、以下のように大きく分けて4つの方法があります。
それぞれ手軽さやかかるコスト、セキュリティなど特徴や強みが異なるため、PDF化をした書類やPDF化したい目的に合わせて選んでみましょう。
パッと確認しただけでも、それぞれの方法で得意・不得意があることが分かると感じます。以下からは、それぞれの方法についてより詳しく見ていきましょう。
2.【書類をPDF化する方法1】スマホを利用する
最初に紹介する方法は、スマホ(スマートフォン)を利用して書類をPDF化する方法です。
スマホでPDF化をする方法は、iPhone・Androidに最初から搭載されている機能を使う方法と、専用アプリを用いる方法に分かれます。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
2-1. スマホでPDF化する手順
スマホで書類をPDF化する方法は、スマホの種類やアプリによって細かな点が異なります。iPhoneの場合、Androidの場合、専用アプリの場合に分けて確認していきましょう。
2-1-1. iPhoneの場合は「メモアプリ」を使う
iPhoneに最初から搭載されている「メモアプリ」を使うことで、書類を手軽にPDF化することが叶います。手順は以下の通りです。
上記までのステップを踏んだら、次は以下の操作を行います。
【iPhoneで書類をPDF化する手順】
新規メモを作成 | まずはiPhoneに搭載されているメモアプリを起動、新規メモを作成する |
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クリップアイコンを選択 | ツールバーにクリップ、またはカメラのアイコンがあるのでタップ |
書類を撮影 | 自動でカメラが立ち上がるので、PDF化したい書類を撮影(撮影自体も自動) |
PDF化したい範囲を調整 | 丸と線でPDF化の範囲を示されるので、必要な部分を調整 |
保存・共有をタップ | 保存、もしくは共有アイコンをタップして共有先を選び終了 |
このようにiPhoneがあれば、公式のメモアプリでPDF化することができます。
2-1-2. Androidの場合は「Googleドライブ」を使う
Androidの場合も、最初からスマホに搭載されているGoogleドライブを使ってPDF化できます。ただ、iPhoneと異なり、別途Googleのアカウントが必要になる点に注意が必要です。
以下、手順を見ていきましょう。
上記まで進めたら、以下のように実際に書類をスキャンしていきます。
【Androidで書類をPDF化する手順】
Googleドライブの新規をタップ | Androidスマホに搭載されているGoogleドライブを開き「新規」のアイコンをタップする。 |
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スキャンを選択 |
新規をタップすると、複数のアイコンが出てくるため、その中からスキャンを選択して再度タップ。 自動でカメラが立ち上がるため、そのままPDF化したい書類を撮影 |
PDF化する範囲を決める | 切り抜きと回転など、PDF化する範囲の設定などを行う |
保存をタップして終了 | 完了ボタンをタップすると、Googleドライブへの保存画面に切り替わるので、保存形式を「PDF」「JPEG」から選んで保存をタップすれば終了 |
このように、Androidの場合はGoogleドライブを使うことでPDF化が行えます。
2-1-3. 専用アプリは使いやすいものをダウンロードして使う
iPhone、Androidに元から搭載されているアプリではなく、専用アプリをダウンロードしてPDF化を行う方法もあります。
ここでは一例として「Adobe Scan」の使い方を紹介します。
【Adobe Scanを使う際の手順一例】
アプリをダウンロード | まずは好みのアプリをダウンロード。ここではAdobe Scanをダウンロードします |
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Adobe Scanを開いて撮影 | Adobe Scanを開くと、すぐにカメラが起動するのでPDF化したい書類を撮影(※ダウンロード直後は初期設定が必要です) |
スキャンの範囲を調整 | 撮影後にスキャンの範囲や解像度を調整 |
保存をして終了 | 「PDFとして保存」をタップすれば、自動でPDFに変換されスマホ内に保存されます |
2-2.書類のPDF化でスマホを利用するメリット
紙の書類をスマホでPDF化する一番のメリットは、なんといってもPDF化が必要になったとき、すぐに行動に移せる手軽さだといえます。
また、iPhoneやAndroidに最初から搭載されている機能を使えば、別途費用をかける必要もありません。とにかく今すぐに、書類をPDF化したいといったときに便利に利用できるでしょう。
2-3.書類のPDF化でスマホを利用するデメリット
一方、紙の書類をスマホでPDF化するデメリットは、PDF化したい書類のサイズが大きい・書類内の画像が小さい場合に解像度が下がる点です。
スマホのサイズそのものが小さいため、特に建築系の図面をPDF化した場合などは、細かな点が見づらくなる可能性があります。一定の解像度を保つには、スマホではなくタブレットなど、デバイス自体が大きなものを利用した方が良いでしょう。
また、個人のスマホでPDF化した場合、個人が行うセキュリティレベルになってしまいます。無料のGoogleドライブなどでは、ビジネスで使うにはセキュリティ面に不安が残るケースもあるでしょう。
さらに、スキャナや代行業者を利用した場合に比べると、大量の書類をPDF化するには、どうしても時間がかかります。セキュリティ面・手間を考えるとスマホでのPDF化は限定的な利用が無難だといえます。
一般的に、iPhoneやその公式アプリのセキュリティは高水準であるとされています。
iPhoneのメモアプリを使って書類をPDF化する場合、iPhone内・公式アプリ内に書類を留めることができるため、他の方法に比べると、やや安心と言えます。
2-4. スマホによるPDF化がおすすめのケース
では、そんなスマホによるPDF化がおすすめの状況や、企業とはどのようなものがあるのでしょうか?一例として、以下のような例が挙げられます。
- 今、すぐに書類をPDF化したい
- 文字だけなど、内容がシンプルな書類をPDF化したい
- 重要度・機密性が低い書類のみPDF化したい
スマホの利用がおすすめになるのは、とにかく今すぐ書類のPDF化が必要になった場合だといえます。スマホに最初からPDF化できる機能が搭載されているため、事前準備をほぼ必要としないからです。
または、機密性が高くない書類であればスマホでも十分に役立つはずです。「業務で使うツールの説明書」「誰でも入手できる書類様式」などであればスマホでも問題ないでしょう。


3. 【書類をPDF化する方法2】専用スキャナを利用する
続いては、スキャン専用のスキャナを用いて書類をPDF化する方法です。企業においては、複合機と併せて一般的な方法といえるでしょう。
種類も豊富で、卓上に設置して使う一般的なタイプから、手で持って書類の上にかざすことでスキャンができる「ハンディスキャナ」まで種類も豊富です。
特にハンディスキャナであれば、家電量販店ですぐに購入して持ち運べるため、急にPDF化が必要になったときなども有用です。
ここでは専用スキャナを用いた書類のPDF化について、手順やメリット・デメリットについて紹介します。
3-1. 専用スキャナでPDF化する手順
専用スキャナで書類をPDF化する方法は、手で持てるコンパクトなハンディスキャナと、机の上などにおいて使う一般的なタイプで手順が異なります。
ここでは、簡単にそれぞれの使い方を見ていきましょう。
【ハンディスキャナの場合】
スキャナの電源を入れる | 電源を入れた後、スキャンの種類(モノクロ・カラー・サイズ)や解像度、保存形式(PDF)を設定する |
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書類の上にスキャナをかざす | 書類の上にスキャナをかざし、手がぶれないよう気を付けながらPDF化したい部分をなぞる |
保存先を設定して終了 | スキャンが終わったら、データの保存先を決めてスキャン完了 |
【一般的なスキャナの場合】
書類とトレーにセット | 書類の表・裏面を製品の指示に合わせてセットする |
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解像度・データ変換方法などを PDFに合わせて設定 |
スキャンの種類(モノクロ・カラー・サイズ)や解像度、保存形式(PDF)を設定する |
スキャン開始のボタンを押す | 設定が終わったらスキャン開始のボタンを押し、問題なくスキャンが行われている確認 |
保存先を設定して終了 | スキャンが終わったら、スキャンしたデータの保存先を決める(PC・USBなど) 問題なく転送できたらスキャン完了 |
3-2. 書類のPDF化で専用スキャナを利用するメリット
専用スキャナでPDF化するメリットは、スキャンする際の手軽さやかかる時間が少ない点です。
特に、ハンディスキャナ以外であれば、一度に複数枚の書類をPDF化できるため、タイムパフォーマンスは高いといえます。
スマホでPDF化をする場合と比べれば、1枚1枚書類をセットしなくてよいため、書類のPDF化だけに時間を取られることがありません。
また、性能が高い専用スキャナであれば、書類を取り込むと同時に、データを格納ファイルに転送する機能を持つものもあります。
まさしく、書類をセットするだけで、後はスキャナが自動でPDF化を進めてくれるでしょう。
3-3. 書類のPDF化で専用スキャナを利用するデメリット
では、専用スキャナで書類をPDF化する方法には、デメリットがないのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。
一番の問題は、専用スキャナの購入にコストがかかる点です。機能やスキャンできる書類のサイズによって価格が異なり、安価なものになれば、上記で触れた便利な機能を使えなくなることも多いはずです。
例えば、価格は安価だが、1度にセットできる枚数が1枚ずつになるなどです。こうなると、PDF化したい書類が大量にある場合は、専用スキャナの利便性を実感できない結果になるでしょう。
PDF化のために専用スキャナの購入するのであれば、価格と性能のバランスをしっかり吟味する必要があります。
3-4. 専用スキャナによるPDF化がおすすめのケース
専用スキャナの導入がおすすめになる状況、企業の特徴は以下の通りです。ここでは複数枚の書類を一度にPDF化できる・データの転送機能を搭載した専用スキャナとして解説します。
- たくさんの書類を、すぐにPDF化する必要がある
- 機密性の高い書類をPDF化する必要がある
- しばらくの間は紙の書類をPDF化する作業が必要になる
専用スキャナの利用がおすすめになるのは、PDF化する書類が多い場合や、取引先との関係などで継続的にPDF化の作業が必要になる場合です。
専用スキャナは非常に種類が豊富で、購入場所も多岐にわたります。Amazonや楽天のようなネット通販はもちろん、ヨドバシカメラのような家電量販店でも比較的気軽に購入できるため、必要になったときにすぐにスキャナの用意が叶います。
そのため「スマホはできれば避けたいけれど、いま、すぐにPDF化したい」場合や、出先で1枚だけPDF化したい場合などでも気軽に利用できるでしょう。
また、専用スキャナであれば、1回の作業で複数枚の書類をPDF化できるため、作業効率を上げるためにも専用スキャナの利用がおすすめです。契約書や帳簿など、機密性が高い書類をPDF化する場合も、セキュリティの面を考えて専用スキャナを導入しましょう。
4. 【書類をPDF化する方法3】複合機を利用する
書類のPDF化は、複合コピー機を利用することでも実現可能です。企業内で複合コピー機を利用する方法、または、コンビニなど外部の複合コピー機を利用する方法もあります。
ただ、企業内の書類をPDF化する以上、コンビニなど外部複合機の利用は現実的ではありません。
外部の複合機を利用する場合、周りに多くの人がいる状態で書類を複合機にセットする必要があります。書類の内容を他社に見られる可能性、書類を置き忘れるリスクを冒すことは避けるべきだからです。
そのため、ここでは社内で複合コピー機を運用することとして解説していきます。
4-1. 複合コピー機を導入する手順
複合コピー機でのPDF化の手順を見る前に、まずは複合コピー機を導入する手順を見ていきましょう。
【複合コピー機を導入する手順】
導入の形態を決める |
複合コピー機は購入(新品・中古)、レンタル、リースの方法から選べます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
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会社を決める |
導入の形態を決めた後は、複合コピー機を扱う会社の選択を行います。望む形態での導入が可能かと併せて、以下の点をチェックしましょう
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問い合わせ ヒアリング |
会社が決まったら、実際に問い合わせてヒアリングを行ってもらいます。何故複合コピー機が必要なのか、目的や会社の規模に合わせて、最適な複合機を提案してもらえます |
リース審査 | 導入形態でリースを選んだ場合、リース審査が行われます。会社によって異なりますが、1~2日程度で結果が出るはずです |
納品工事 | 単純なスキャナやプリンターと異なり、複合コピー機の場合は設置工事が必要です。工事に合わせて使い方や設定方法などの説明がありますが、平均3時間程度で終わります |
導入完了 | 納品工事が終わったら、導入完了 |
なお、複合コピー機自体の操作手順は以下のようになります。
【複合コピー機で書類をPDF化する手順】
- 複合コピー機にPDF化したい書類をセットする
- 複合コピー機の「スキャナ」を選択
- 保存形式を「PDF」に設定
- 保存・送信先を選択してスキャンを実行
- 書類を取り出して終了
4-2. 書類のPDF化で複合機を利用するメリット
複合コピー機で書類をPDF化するメリットは、やはり手軽さ、時間的コストが少ない点といえます。
専用スキャナと同じく、書類をセットした後はスキャンが終わるまで待つだけです。
専用スキャナより1度にスキャンできる枚数も多くなるため、より手軽に書類のPDF化が叶います。
また、複合コピー機を利用することで、スキャンしたデータの解像度も高くなるでしょう。
より鮮明に、読みやすいPDFを作りたいのであれば、複合コピー機の利用がおすすめです。
4-3. 書類のPDF化で複合機を利用するデメリット
書類のPDF化で複合コピー機を利用するデメリットは、以下の通りです。
- 書類を取り忘れるリスク
- 導入するまでに時間がかかる
- コストがかかる
複合コピー機によるスキャンのデメリットとして、書類の取り忘れが発生しやすい点が挙げられます。
スキャンする枚数が多くなれば、その分時間がかかります。スキャンが終わるまで待っているより、少しでも業務を進めようと考えることで、スキャンしていたこと自体を忘れてしまう可能性もあるでしょう。
社内で複合コピー機を使う際は、作業が終わるまでコピー機の側を離れないなどルール化が必要になるかもしれません。
また、複合コピー機の導入は、スマホや専用スキャナと異なり時間がかかります。今すぐ、PDF化したい書類があるのに、複合コピー機を導入するまで実行できないでは、業務を進めることもままなりません。
導入にはコストもかかるため、余計に「どの複合機でも良いからすぐに…」というわけにはいきませんよね。複合機コピー機は、実際にPDF化を行う準備に時間がかかる点こそ、大きなデメリットといえます。
4-4. 複合機によるPDF化がおすすめのケース
複合機の導入はすぐにはできないため、「今すぐ」ではなく「今後」日常的にPDF化をしたいという場合に限定されますが、複合コピー機によるPDF化がおすすめなケースは以下の通りです。
- 大量の書類をPDF化する必要がある
- 機密性の高い書類のPDF化を行いたい
大量の書類をPDF化する必要がある場合は、複合コピー機の導入がおすすめです。企業用の複合コピー機は、1度に2~300枚ほど連続でスキャン・PDF化ができるため、作業効率を大幅に上げることができるはずです。
また、一部の複合コピー機では、PDF化したデータを暗号化することも可能です。パスワードがなければ、PDF化したデータをPCなどで閲覧できないように設定できるため、機密性が高い書類のPDF化を望む場合にも適しているといえます。
5. 【書類をPDF化する方法4】代行業者を利用する
最後は、書類のPDF化を代行業者に依頼する方法です。スキャン代行業者とは、文字通り書類や本のPDF化に必要なスキャンを代行してくれるサービスを指します。
有名・大手企業でいえば「大塚商会」や「うるるBPO」などが挙げられます。大量のスキャナ・複合機を用い、手間がかかる書類のスキャニングを行ってくれるのです。
代行業者を利用する場合は、コストやセキュリティの兼ね合いから、実際に利用するまでの手順が多くなります。ここから早速見ていきましょう。
5-1. 代行業者を利用して書類をPDF化する手順
書類のPDF化で代行業者を利用する際には、先述したように実際に依頼するまでのステップの方が重要です。依頼した後で問題が起きないよう、しっかりチェックしておきましょう。
【代行業者を利用するまでの手順】
PDF化の目的を明確にする |
PDF化の目的を明確にすることで、代行業者を選びやすくなる
データ活用、検索機能の向上は一般的なスキャン代行では対応できない可能性がある。目的に沿った代行業者を選ぶために最初に目的を明確にしておく。 |
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書類選別・不要書類の処分 | 事前に書類の選別、不要書類の処分を行うことで、余計な書類のデータ化を避けられコストを抑えられる |
原本の取り扱いを決める | 原本保存しなければいけない書類もあるため、事前に書類ごとの原本の扱いを決めておく |
代行業者の選定 |
自社にとって必要な代行業者の選定が重要。以下、選び方の目安です
|
代行業者に依頼 | 実際に依頼する代行業者が決まったら依頼を実行、問い合わせた依頼時の担当者の受け答えもしっかり確認して、信頼できる業者かチェックしてください |
代行業務終了 | データの納品、費用を支払って終了 |
自社の書類を外部に任せる以上、業者の信頼性は非常に重要です。妥協しないよう、段階ごとで必要なことを確実にこなしていきましょう。
5-2. 書類のPDF化で代行業者を利用するメリット
書類のPDF化で代行業者を利用する最大のメリットは、自社内のリソースを割く必要がない点です。
スキャニング、PDF化された書類をファイルにまとめることなど、全てを代行業者に丸投げできます。依頼前に書類の選別や不要な書類の処分が必要ですが、これらはスマホや専用スキャナを利用した場合でも同じです。
また、事前に精度や解像度を確認した上で依頼できるため、より見やすくきれいなPDF化を叶えられるでしょう。
5-3. 書類のPDF化で代行業者を利用するデメリット
一方、書類のPDF化を代行業者に外注する場合、以下のようなデメリットが考えられます。
- PDF化する書類によってはコストが高くなる
- 書類の内容が外部に漏れる危険性がないとはいえない
代行業者にかかる料金は、業者やPDF化する書類、枚数によって大きく異なります。一般的なA4書類、10000枚をPDF化する場合、400dpiのモノクロ・フルカラー別で費用の目安は以下の通りです。
【代行業者に依頼した場合の費用目安】
単価 | 10000枚の場合 | |
---|---|---|
モノクロ | 5~15円 | 50,000円~150,000円 |
フルカラー | 7~17円 | 70,000円~170,000円 |
業者によっては、書類の枚数が多くなるほど費用も上がり、10,000枚で20万円を超える費用が掛かるケースもあります。
また、外部の代行業者に依頼する以上、書類を一度は代行業者に預ける必要があります。この際、どうしても書類の内容を見られるリスクがあるため、書類の内容が漏洩しないとは言い切れません。
機密性の高い書類は代行業者に依頼しない、信頼性の高い業者を厳選するなどの対処が必要になるでしょう。
5-4. 代行業者によりPDF化がおすすめのケース
書類のPDF化を代行業者に依頼する方法がおすすめの状況・企業の特徴は以下の通りです。
- 大量の書類をPDF化する必要がある
- 機密性が低い書類のPDF化を考えている
- PDF化する必要があるのは一時的
書類の量が大量になればなるほど、自社内だけで対応することは難しいといえます。スマホやスキャナを駆使して無理に自社内の人員だけで完結させるよりは、代行業者への依頼がおすすめです。
また、大量の書類をPDF化したいものの、それが一時的なものである場合も代行業者への依頼が適しています。
無理に複合機を購入するより代行業者を利用した方が、コストを抑えられるケースがあるためです。
6. 紙の書類を業務に活用するならOCR機能搭載の文書管理ツールもおすすめ
ここまで、紙の書類をPDF化する方法について紹介してきました。
しかし、PDF化をしただけでは、写真や画像と同じく、パソコンがテキスト(文字列)を認識することができません。
そのため、PDF化した書類を、後から活用しようとすると不便な面も出てくるのです。例えば、以下のような状況が挙げられます。
- 文章検索ができずファイル検索のみになり検索性が下がる
- 原則として修正・編集ができない
- 請求書などの管理台帳を作成・管理するには、別途手書きや手入力が必要になる
簡単に言ってしまえば、画像と同じ扱いになるため、データ化されているのにコピー&ペーストや文字の編集ができない、ということです。
このため、業務で利用しやすくするには、PDFに記されている文字を、さらに、文字データとして認識できるようにしなければなりません。
そのために便利なツールが「OCR機能」が搭載された文書管理ツールなのです。OCRとは、日本語で「光学文字認識」と呼ばれる技術であり、PDFに記載された画像としての文字を、デジタルデータに変換してくれる技術です。
ODRで処理を行うと、上記図のようにPDF内の文字も画像ではなく「文字」として認識されます。文字として認識されるようになったことで、先述した業務上の不便も解消されるでしょう。
例えば、以下のような効率向上が見込めます。
- 検索:ファイル名だけではなく、書類の文書内から検索できる「全文検索」が可能になる
- 修正・編集:通常のテキスト文書と同じように修正・編集可能
- 台帳への手入力:ツールによっては、書類の文書内容を認識・分析できるため自動で台帳に情報を転記してくれる
すぐに必要な書類・情報を見つけられるようになり、書類の編集も可能になるだけではなく、台帳管理の自動化を叶えることも夢ではありません。
PDF化した書類を、業務でより効率的に活用していくなら、文書管理ツールも活用していきましょう。
OCR機能を便利に使って、日常の業務効率を上げたいなら当社オプティムが提供する【OPTiM 文書管理】がおすすめです。
OPTiM 文書管理は、PDFの書類はもちろん、手書きやゴム印で押された文字もしっかりと拾い上げる、精度の高いOCR機能を搭載した文書管理ツールです。
OPTiM 文書管理を利用することで、PDF化した文書をより効率的に業務上で利用できるようになります。具体的な例を挙げると、以下のようなことが可能です。
- 文書を探す手間を大きく削減!
精度の高いOCR機能+全文検索機能を搭載しているため、書類のファイル名を忘れてしまっても検索が可能です。全文検索の機能で、関連するキーワードを指定すれば、それだけで指定キーワードを含んだ文書を一覧で表示してくれます。
- ファイルをアップロードするだけでOCR処理を実行
OCR機能の使い方は、ファイルをアップロードするだけ。スキャンしてPDF化したデータを、システムにアップロード後は、自動でOCR処理を行ってくれます。特別な作業が必要ないため、スムーズな業務を実現できるはずです。
- 文書内容を管理台帳へ自動で入力
OPTiM 文書管理のOCR機能はAIが利用でき、管理台帳への入力も自動で行ってくれます。
一般的なフォーマットであれば、台帳だけではなく法令文書や専門的な書類もOK!煩わしい手入力の時間を最低限にしてくれるでしょう。
このように高い精度のOCR機能から全文検索まで、便利な機能を備えておきながらOPTiM 文書管理は初期費用無料・比較的リーズナブルな価格設定。また、無料トライアルも実施中なため、実際に使ってみて使用感を試すことも可能です。
「PDF化した後のことまで考えていなかった」
「PDF化しただけでは、検索性が下がるのか…」
このように気が付いたのであれば、ぜひ高い機能性を備えた「OPTiM 文書管理」をお試し下さい!
7. まとめ
本記事では、紙の書類をPDF化する4つの方法について解説してきました。思っていたよりも豊富な方法があることに、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
最後にもう一度、書類をPDF化する方法についておさらいしてみましょう。
- スマホでPDF化する
- 専用スキャナでPDF化する
- 複合機でPDF化する
- 代行業者を利用してPDF化する
最も手軽にPDF化するならスマホの利用。企業として書類を適切に管理、PDF化するのなら専用スキャナや複合機の利用がおすすめです。また、大量の書類をPDF化する必要があるのなら、セキュリティに気を付けながら代行業者を利用すると良いでしょう。
書類の量や内容、PDF化する目的によって、適した方法は異なります。自社に合った方法を選択して、書類のデータ化を進めていきましょう。