生成AI技術が世界を繋ぐ──Microsoft Azureが提供する法人向けサービス「Azure OpenAI Service」は、地域を超えた利用が可能なAIリソースを企業に提供し、次世代のビジネス課題を解決します。
このサービスがどのように企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支え、新たな可能性を開いているのか、詳しく解説します。なお、本記事の内容は執筆時点（2025年3月）での情報となります。
1.Azure OpenAI Serviceとは
Azure OpenAI ServiceはMicrosoft
Azureが提供する法人向けAIサービスです。
ChatGPTやDALL-E、Whisperなど、OpenAIが開発した最新のAIモデルを企業向けに提供しています。
このサービスは2023年1月に開始され、企業の業務効率化や革新的なソリューション開発を支援しています。
特に自然言語処理や画像生成の分野で高い性能を発揮し、企業のデジタル変革を加速させる原動力となっています。
Microsoft Azureは、グローバル規模のクラウド基盤を提供し、Azure OpenAI Serviceを通じてOpenAIの強力なAI技術を企業ユーザーに届けています。
また、Azure OpenAI Serviceは、利用可能なリージョンが広範囲にわたるため、世界中の企業が地域の制約を受けずに利用することが可能です。
2.リージョンとは
リージョンとは、Azure OpenAI Serviceを利用できる地理的な拠点のことです。
Microsoft Azureは世界中の主要な地域にデータセンターを設置しており、これらの拠点を通じてサービスを提供しています。
各リージョンは独立して運営され、地域固有の法規制やデータ保護要件に準拠しています。
米国リージョンと日本リージョンでは、利用できるAIモデルに違いがあります。
米国リージョンでは、GPT-4、GPT-3.5、DALL-E、Whisperなど、ほぼすべてのモデルが利用可能です。
一方、日本リージョンでは、現時点（2025年3月）でGPT-3.5とEmbeddingsモデルが主に提供されており、利用できるモデルが限定的です。
ただし、Microsoft Azureは順次、日本リージョンでのサービス拡充を進めています。
リージョンの選択は、データの所在地や応答速度に影響を与えます。
日本国内でサービスを展開する場合、データの国内保持が要件となるケースでは日本リージョンの選択が必要ですが、最新のAIモデルを利用したい場合は、米国リージョンの利用を検討する必要があります。
これらの要件を総合的に判断してリージョンを選択していきます。
3.セキュリティと安定性
Azure OpenAI Serviceの最大の特徴は、高度なセキュリティと安定したサービス提供です。
企業の機密データは厳重に保護され、入力データが学習に使用されることはありません。
また、Microsoft Azureのもつ堅牢なインフラにより99.9%以上の稼働環境※を実現し、ビジネスの継続性を確保しています。高い信頼性と安定性が特長です。
さらに、専用の閉域ネットワークを使用することで、インターネットを介さない安全なアクセスも実現しています。金融機関や医療機関など、特に高いセキュリティが求められる業界でも安心して利用できる環境が整っています。
さらに、Microsoftは「責任あるAI」の原則に基づき、AIの悪用防止や不適切な利用を制限するためのポリシーを導入しています。これにより、ユーザーがAIを利用する際の倫理的な責任にも配慮し、業務上安心して活用できる環境を提供しています。
※https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/cloud-platform/azure-value-proposition より引用
4.柔軟な導入オプション
Azure OpenAI Serviceは企業規模に応じて最適な利用方法を選択できます。
中小企業は必要な分だけ利用できる従量課金制を、大企業は安定した処理能力を確保できる事前予約制を選択可能です。
柔軟なカスタマイズができ、業種や用途に合わせたソリューションを構築できる上、既存のAzureサービスとの連携により、より包括的なソリューションを構築することができます。
5.未来への展望
Azure OpenAI Serviceは、企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）を強力に推進します。
AIの倫理的な活用にも配慮しながら、新しいビジネスモデルの創造や業務プロセスの革新を支援しています。
グローバルな展開力と高度な技術力を備えたこのプラットフォームは、企業のAI活用における重要な選択肢となっています。
今後は、さらなるAIモデルの進化や新機能の追加により、より多様な業務課題の解決が期待されています。
また、責任あるAIの実践を通じて、持続可能な社会の実現にも貢献していくでしょう。
企業がAIを活用してグローバルな競争力を高め、新たな価値を創造するための重要なプラットフォームとして、その役割はますます重要になっていくと考えられます。
AIチャットボットを提供するクラウドサービス：「OPTiM AIRES」は、Azure OpenAI Serviceを採用しています。
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