

「文書管理システムとは、そもそもどういう仕組みでなにができるもの?」
「文書管理システムは便利そうだが、自社にも取り入れたほうがいいのかわからない」
文書管理システムに興味はあるものの、自社にとっての必要性を感じられずに導入にはいたっていない会社も多いでしょう。
文書管理システムとは、文書を活用しやすいように電子データとして整理し、電子文書の活用や保管にかかわる業務や作業の効率化をサポートするシステムのことです。
こうした文書管理システムは、あらゆる企業にとって必要性が高まっています。
文書にかかわる業務効率を高めて、法令に遵守した文書の取り扱いをするには、適切な文書管理が欠かせません。社内で発生する大量の文書を適切に管理するには、文書管理システムの力を借りることがベストな方法といえるでしょう。
しかし、文書管理システムは多くのサービスが提供されており、それぞれによって「できること」や「強み」が異なります。
そのため、会社が解決したい課題やニーズに合わせたシステムを選ばなければ、「せっかくコストをかけて導入したのに効果を感じられない」といった結果に終わってしまうかもしれません。
このような事態を避け、自社にとって最適な文書管理システムを導入するには、文書管理システムの基礎知識や選ぶポイントを把握しておくことが大切です。
そのため本記事では、文書管理システムについて理解を深めるために以下の点を解説します。
- 文書管理システムの必要性や主な機能、メリット・デメリット
- 文書管理システムの導入による業務効率化の効果
- 自社に最適な文書管理システムを選ぶポイント
- 文書管理システムの選定に役立つ「おすすめの文書管理システム9選」
最後まで読み進めていただくと、あなたの会社に文書管理システムを取り入れるべき理由や、最適なシステムの選び方が明確になり、システムの導入について説得力をもって社内で打ち出せるようになるでしょう。
会社の生産性アップのために、ぜひこの記事を参考にしてください。
1. 文書管理システムとは
文書管理システムとは、社内で発生する文書を活用しやすいように整理し、適切に管理するために、さまざまな機能を備えたシステムのことです。
電子化された文書は、ただ社内サーバーやハードディスク上に保管しているだけでは、必要な文書を探し出すのに時間がかかり、改ざんや紛失などのリスクもあります。
そこで力を発揮するのが、文書管理システムです。
「必要な文書にすぐにアクセスしたい」「文書の管理に手間がかかる」「セキュリティ対策に不安がある」といった企業の要望を満たすために、以下のような機能を揃えています。
- 全文検索機能
- 保管機能
- セキュリティ機能
まずは、文書管理システムの導入を検討するにあたって、文書管理システムの必要性やファイルサーバーとの違いを知り、文書管理システムが果たす役割を理解していきましょう。
1-1. そもそも文書管理とは
文書管理とは、業務を行ううえで発生するさまざまな文書を管理することです。
文書管理の目的は、大まかにわけると以下の2つです。
- 業務の効率を高める
- 法令遵守
社内の文書には、業務に必要な情報が記載された文書や法令で保管期限が定められた文書、社外に流出させてはならない秘密文書など、さまざまな文書があります。
それらを、必要なときにすぐに取り出せるように整理したり、正しい方法で管理・保管したりすることで、業務効率を高め、法令遵守とコンプライアンスの強化を図ります。
文書管理の具体的な取り組みは、文書のライフサイクルに応じて適切な取り扱いを実施することです。
文書管理は、社内の書類が整理され、必要なときに必要な情報にすぐにアクセスでき、有効活用できるような状態を目指して行われます。
会社を守り成長させるには、欠かせない活動といえるでしょう。
1-2. 文書管理システムの必要性
文書管理システムは、文書管理の推進において非常に有用なツールであり、必要性が高いものです。
企業が事業を行ううえで取り扱う文書は、年々増加しています。情報のデータ化が進んだ昨今では、紙の文書だけでなく、電子文書や画像、動画といったさまざまなコンテンツが日々生み出されています。
それらを人の手だけで管理するのは、効率の悪さや不確実さが課題となるのは明らかです。そのような背景から、IT技術で文書管理をサポートするシステムへの需要が高まっています。
実際に、文書管理システムの市場規模は今後も拡大する予測が立てられています。
株式会社グローバルインフォメーションの調査によると、世界全体における2023年の文書管理システムの市場規模は67億4,000万米ドルと推定されることがわかりました。
年平均成長率15.39%で成長し、2024年には77億5,000万米ドル、2030年には183億7,000万米ドルに達する予測がされています。
参考:株式会社グローバルインフォメーション「文書管理システム市場:機能、展開タイプ、組織規模、業界別-2024年~2030年の世界予測」
市場規模の拡大が今後も予想されるのは、多くの企業で以下のような要望が高まっているためと考えられています。
- 紙文書による非効率な業務を改善したい
- クラウドシステムでペーパーレス化やテレワークを推進したい
企業が取り扱う文書や情報は今後も増加し続けるため、それらをどのように管理するかは、企業全体の生産性に大きく影響を及ぼすといえます。
文書を「効率的に・正確に」管理し、活用しやすいように整理してくれる文書管理システムは、今後も需要が増加していくでしょう。
2022年の電子帳簿保存法改正により、電子データの保存要件が緩和され、ペーパーレス化への流れが加速しています。
さらに、電子データで受け取った納品書や請求書においては、電子形式での保管が義務化されたため、電子帳簿保存法への対応が課題となっている企業は多いでしょう。
帳簿などを法的に認められる電子データとして保管するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 【真実性の要件】文書管理が改ざんされていない原本として確認できること
- 【可視性の要件】提出を求められた場合に、すぐに検索して提示できること
これらの要件をクリアするためには、真実性を確保するタイムスタンプ機能や、検索機能を備えた文書管理システムが効果的です。
そのため、法令遵守と電子帳簿保存法への対応にかかる負担軽減を目的として、文書管理システムを導入する企業も増加しています。
1-3. ファイルサーバーとの違い
企業がデータを保存・共有するためによく使われているものにファイルサーバーがあります。「電子文書の保管ならファイルサーバーでも問題ないのでは?」と認識している方も多いかもしれません。
しかし、文書管理システムとファイルサーバーには、目的と機能面において違いがあります。
項目 | ファイルサーバー | 文書管理システム |
---|---|---|
目的 |
電子化された文書の保存と共有 |
文書のライフサイクル全般において、活用しやすいように管理すること |
機能 | データの保存、共有 | 検索やアクセス制御、バージョン管理など、文書を活用しやすくする機能を多数搭載 |
ファイルサーバーは、データを保管するための「箱」のようなものであり、文書管理システムよりも安価に導入できます。
一方の、文書管理システムは、データを保管するだけでなく、文書を活用しやすくする機能を備えています。ファイルサーバーにはない機能により、社内の文書をより安全に利便性高く管理できるのが特徴です。
文書管理によって業務の効率化を目指すのであれば、ファイルサーバーよりも文書管理システムのほうが効果的といえるでしょう。
2. 文書管理システムの主な機能
さまざまな機能を持ち合わせた文書管理システムは、企業の課題を解決できるツールとして必要性が高まっています。
ここからは、「文書管理システムではどのようなことができるのか?」という、具体的な機能をみていきましょう。
【文書管理システムの主な機能】
機能 | 機能の説明 | できること |
---|---|---|
保管機能 |
文書データを整理した状態で保管する |
データの所在がバラバラになるのを防ぎ、共有・一元管理ができる |
検索機能 |
保管された大量のデータから、タイトル名や属性、作成日、本文も含めたキーワードなど、さまざまな条件から検索する |
|
期日管理機能 |
文書の有効期限や破棄期日を設定し、事前に通知する |
|
ワークフロー機能 |
文書の申請・承認がシステムのなかで行える |
承認をもらうためだけに出社する必要がなくなる |
バージョン管理機能 |
文書が更新された場合は最新版が表示され、それまでの旧版や、変更履歴も保管される |
「どれが最新版なのか」「どこが変更されたのか」がすぐに確認できる |
アクセス権限の設定機能 |
フォルダや文書ごとに、アクセス権限や、作業権限の付与を設定する |
機密文書の持ち出しや、人為的なミスによる削除・変更を防げる |
セキュリティ機能 |
データの暗号化や、2段階認証、IPアドレスによる制限など |
|
ここで紹介した機能は、システムによって搭載の有無や、機能の詳細は異なるため注意が必要です。
たとえば、どのシステムにも検索機能が備えられていますが、システムによっては検索できる条件がファイル名や属性といった一部の要素に限定されている場合もあります。
「本文まで含めた全文検索が可能」「表記揺れや同義語、類似文などを考慮したあいまい検索が可能」といった高性能な検索機能があるシステムのほうが、利便性は高いでしょう。
3. 文書管理システムを導入するメリット
豊富な機能をもつ文書管理システムですが、まず気になるのは「導入によってどのようなメリットが得られるのか」という点ではないでしょうか。
ここからは、文書管理システムの導入によって得られるメリットを、以下の4点から説明します。
- 文書の検索性が向上する
- 文書の共有や承認がスムーズに行える
- どこからでも文書を確認できる
- 管理コストを削減できる
文書管理システムの導入を判断するために、文書管理システムのメリットで自社の課題が解決できそうか確認しておきましょう。
3-1. 文書の検索性が向上する
文書管理システムの導入によるもっとも大きなメリットは、文書の検索性が向上する点です。
キーワードを入力すると、タイトル名や属性、本文全体などから該当する文書を探し出してくれる検索機能のおかげで、目的の文書にアクセスできる時間を大幅に短縮できます。
紙文書で保管されている場合、目的の文書がどこに所在するのかわからなければ、文書管理台帳から対象文書の情報を探して、保管場所を確認しなければなりません。
「文書管理台帳から目的の文書を探す」というひと手間が加わるのと、さらに保管場所まで移動して書類を取り出しに行く必要もあります。
電子文書としてUSBメモリや外付けHDDなどの記録メディアに保管されている場合、Windowsの検索機能で文書を探し出すことが可能です。
しかし、ファイル名からしか検索できないため探しにくく、検索や読み込みの動作も遅くなりやすいといった不便さがあります。
一方、文書管理システムであれば、柔軟な検索機能により、文書探しに費やす時間は格段に減少し、社内全体の生産性向上へとつながります。
「あいまい検索」や「全文検索」、「口語で問いかけられるAI搭載の検索機能」などを備えているシステムであれば、さらに効率よく必要な文書にアクセスできるでしょう。
【解決できる課題:ファイルサーバーよりも検索時間が削減できる】
ファイルサーバーの場合も、標準の検索エンジンではファイル名からしか検索できない場合が多いです。ファイル名から目的のファイルを絞れたとしても、欲しい情報が含まれているかどうかは、ファイルを開いて中身を確認しなければなりません。
文書管理システムなら、本文や属性など幅広い要素から検索できる機能を備えています。
ファイルの中身をダウンロードせずに確認できるプレビュー機能があるシステムも多いため、検索結果から目的の文書までスピーディーにたどり着けます。
3-2. 文書の共有がスムーズに行える
文書の適切な共有が手間なくスムーズに行える点も、文書管理システムのメリットです。
文書管理システムにはアクセス権限の設定機能があるため、それぞれの文書を「だれと共有するか」、「どのような操作を許可するか」といった共有範囲の設定が可能です。
権限設定を行わないまま文書を共有する場合、共有した先で不用意な変更や削除が起こる可能性があります。安全に共有するには、変更できないようにPDF化したり、バックアップを取っておいたりといった対策を取る必要があり、共有に手間がかかってしまいます。
一方で、たとえば当社が提供する「OPTiM 文書管理」の権限管理機能は、文書へのアクセスを「許可する・不可にする」といったアクセス権限の設定はもちろん、操作権限の設定も可能です。
文書の編集はできるが削除だけはできない「削除不可」や、編集やダウンロードもできない「閲覧のみ」といったように、文書に対して行える操作も細かく設定できます。
このような機能により、厳重に保管すべき秘密文書は操作制限をかけて改ざんや紛失、持ち出しを防ぎ、業務上編集して活用する必要がある文書は、指定した人だけが操作できるように共有できます。
【解決できる課題:WordやExcelで制限を設定する手間が省ける】
文書管理システムを導入していない場合、WordやExcelの標準機能であるファイルの保護や編集の制限、共有などの機能を使って、閲覧や操作をコントロールしているケースも多いでしょう。
しかし、これらの機能を使って希望する操作権限を設定するには、パスワードを設定して文書の閲覧・編集を許可したり、リンクを取得して特定の人にだけURLを通知したりといった作業が必要です。
操作権限の設定機能がある文書管理システムであれば、指定した人にだけ編集権限を許可したり、文書の編集や削除ができない閲覧のみの権限を付与したりといった管理が簡単に行えます。
WordやExcelの機能を使うよりも、手間なく安全に文書を共有できます。
3-3. どこからでも文書を確認できる
クラウド型の文書管理システムであれば、自宅や営業先などからもデータが一元管理されたシステムへのアクセス可能です。
社内のファイルサーバー・HDD上にある電子文書や、紙のまま保管された文書であれば、社内にいなければ文書を活用できません。
一方、クラウド型の文書管理システムに保管された文書の場合、インターネット環境があればどこからでも、社内の情報が集まったシステムにアクセスして文書を活用できます。
どこにいても最新のデータにアクセスでき、セキュリティ機能が備わったシステムをとおして情報や業務の共有ができるため、社員の環境に合わせた働き方や業務の進め方を促進できます。
【解決できる課題:リモートワークの促進につながる】
クラウド型の文書管理システムの導入により、社外にいる社員と安全な方法で情報を共有できるため、リモートワークの促進につながります。
ワークフロー機能があるシステムであれば、書類の申請や承認といった業務フローがシステムのなかで完結でき、進捗状況もリアルタイムで把握が可能です。
「重要文書をプリントアウトするためだけに出社しなければならない」といった事態を解消できるため、柔軟な働き方を望む社員にも対応しやすくなるでしょう。
3-4. 管理コストを削減できる
文書管理システムの導入によるメリットは、管理コストが削減できることも挙げられます。
システムの導入によって紙文書の電子化が進むと、保管スペースにかかる費用や用紙代といった経済的なコストや、文書を探したり整理したりする人的コストを大きく軽減できます。
具体的に削減できるコストや手間は以下のとおりです。
- 物理的な保管スペースそのもの
- 保管場所を確保するための賃料
- 用紙代、印刷代
- 必要な文書を取り出して活用するまでにかかる時間
- 文書の共有や保管、廃棄にかかる手間(メールや手渡しで配付、ファイリングなど)
文書全般の管理コストを削減できるため、余ったリソースを本来推進すべき業務に回せます。
4. 文書管理システムを導入するデメリット
文書管理システムの導入によって、業務の効率化につながるさまざまなメリットを得られますが、一方でデメリットとなる一面も存在します。
文書管理システムを導入するデメリットは以下の2点です。
- 初期費用やランニングコストがかかる
- 運用を定着させるための労力がかかる
システム導入後に戸惑うことがないように、事前に頭に入れておきましょう。
4-1. 初期費用やランニングコストがかかる
文書管理システムを導入するには、当然ながらシステムを利用するための初期費用やランニングコストを支払わなければなりません。
たとえば、文書管理システムの設置形態別でみると、以下のような費用が発生します。
設置形態 | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|
クラウド型 (インターネット上のシステムを利用) |
無料~30万円ほど (無料のシステムが多い) |
無料~20万円程度 (1万円~10万円程度が多い) ※ユーザー数やストレージ容量により変動 |
オンプレミス型 (自社のサーバーでシステムを構築・運用する) |
60万円~200万円ほど |
要問い合わせ |
文書管理システムの導入・維持にかかるコストは、会社の規模(ユーザー数、ストレージ容量)や、システムに求める機能などで変わってきます。
事前に目安を把握し、そのぶんの予算を確保できるか確認しておきましょう。
4-2. 運用を定着させるための労力がかかる
文書管理システムを導入した際には、その運用を社内に浸透・定着させるのに、多少の労力がかかります。
システムを導入しただけでは、「今までのやり方のほうが慣れている」「使い方がよくわからない」といった社員が出てきて、新しいシステムがうまく活用されずに成果が出ない恐れがあるでしょう。
そのため、運用を定着させるには、以下のポイントや施策を取り入れて、現場メンバーへの周知や教育を実施する必要があります。
- 現場が実施しやすいルールを設定する
- システムの活用方法やルールについて研修を行う
- システム導入の目的や、得られるメリットを社内全体で共有する
- ルールどおりに活用できているかの運用チェックを定期的に行う
システムを導入しても活用しなければ意味がないため、実際にシステムを使用するメンバーのモチベーションを高めるための労力はどうしても必要となるのです。
5.文書管理システムで管理工数の8割減が見込めるケースを紹介
文書管理システムの導入で得られるメリット・デメリットは理解していただけたと思いますが、次に気になるのは、「具体的にどれくらい業務効率が向上するのか」ではないでしょうか。
文書管理システムの導入でとくに効率アップが期待できる作業として、以下のようなものが挙げられます。
- 文書データから項目を抽出して仕分けし、適切な場所に保管する
- 管理台帳に入力する
- 必要な文書を検索する
- 期限に合わせて作業が必要な文書を担当者に通知する
これらの業務において時間や手間がかかっていると認識している会社は、文書管理システムの導入で業務効率の向上が図れるでしょう。
具体的にどれくらいの効果が見込めるかというと、例えば当社オプティムが提供する文書管理システム「OPTiM 文書管理」を導入した場合には、以下のように83%の工数削減が見込めるのです。
当社オプティムが提供する文書管理システム「OPTiM 文書管理」を導入すると、非導入の状態にくらべて以下の主要な業務の工数が削減できます。
(文書1件あたり1,000文字と仮定)
1.台帳などへの文字情報入力工数が95%削減
1文書あたり導入前600秒 ⇒ 導入後30秒
2.文書データの検索工数が83%削減
1文書あたり導入前180秒 ⇒ 導入後30秒
3.担当者への期限通知工数が90%削減
1文書あたり導入前300秒 ⇒ 導入後30秒
上記3つの主要業務において、1文書あたりにかかる時間を合計すると
「導入前約18分 ⇒ 導入後約1分半」で、83%削減できることになります。
社内で取り扱う文書量が多ければ多いほど、こうした削減効果は重要なものとなるはずです。
文書管理システムを導入すると、欲しい文書にすぐにアクセスでき、上記のように文書の管理に必要な手間が大幅に削減されます。
こうした効果を具体的な数字で確認してみると、その効果の大きさがより明確にお分かりになったはずです。


6. 文書管理システムの導入がおすすめな企業の特徴
ここまで紹介してきた、文書管理システムによる業務効率化の効果をまとめると、文書管理システムの導入をとくにおすすめしたい企業の特徴がみえてきます。
- 管理台帳への入力に時間がかかる、ミスが多発している
- 文書が点在しており、スムーズに探したり確認したりできていない
- 文書の有効期限を把握できておらず、損失が発生している
文書管理システムを導入することで、上記の課題が以下のように改善されます。
管理台帳への入力に時間がかかる、ミスが多発している
↓
アップロードした文書から内容を抽出し自動的に台帳を作成できる文書管理システムであれば、作業時間の大幅な短縮と、正確な台帳作成が実現します。
担当者はシステムが作成したものに誤りがないかを確認するだけで済むため、負担が軽減されます。
文書が点在しており、スムーズに探したり確認したりできていない
↓
文書管理システムを導入すると、文書を探す方法は「文書管理システムで検索する」の1択のみという状態が作れます。
社内の文書をシステム上で一元管理できるため、文書によって探し先を変える必要がなくなり、検索機能を使って必要な文書に素早くアクセスできるようになります。
文書の有効期限を把握できておらず、損失が発生している
↓
文書管理システムの期限通知機能を使えば、不必要な更新や手続きの遅延などによる損失の発生を防げます。
期日が近付くと対応が必要な文書において、通知期限を設定しておくと、指定した期間に担当者へ自動で通知が行われます。担当者への通知作業が不要となり、通知忘れや対応漏れといった事態も起こりません。
文書管理システムの導入により、文書がより活用しやすい状態で保管され、文書管理にかかわる作業をより短時間で効率よく進めていけるようになります。
また、人の手だけで文書管理を行う場合の不確実性も、システムによって補ってもらえます。
どのようなビジネスであっても、「業務の効率化」や「不十分な文書管理が招くリスクの回避」は取り組むべき課題となるはずです。
文書管理システムの導入は、多くの企業にとってこれらの課題を解決する有効な手段となるでしょう。
7. 自社に最適な文書管理システムを選ぶポイント
文書管理システムの導入による効果をさらに高めるためには、自社に最適な文書管理システムを選ぶことが大切です。
自社の課題を解決できるシステムでなければ、せっかくコストをかけて導入しても、期待していた効果を得られないでしょう。
自社に適した文書管理システムを選ぶには、以下6つのポイントのチェックが大切です。
【自社に最適な文書管理システムを選ぶポイント】
- 自社の課題を解決できる機能があるか
- セキュリティ対策が十分か
- 無理なく利用できる料金か
- 自社に適した提供形態か
- 直感的に使えるか
- 必要なサポート体制があるか
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
7-1. 自社の課題を解決できる機能があるか
文書管理システムを選ぶ際には、「自社の課題」を明確にし、課題を解決するための機能を備えているかをチェックしましょう。
なぜなら、自社の課題解決にピッタリのシステムを導入できれば、業務のボトルネックの解消につながり、よりスピーディーで質の高い業務へと改善できるためです。
多くの企業が抱えている課題や、それを解決する機能には以下のような例があります。
課題 | 解決する機能 |
---|---|
文書の有効期限を手作業で管理しているため、対応漏れが起きている |
|
紙文書が多く、管理や保管にコストがかかっている |
(スキャンデータをテキスト化できる機能) |
さまざまな文書が社内サーバーや個人パソコンなどに点在している |
|
秘密情報にも全社員がアクセスでき、文書の改ざんや紛失が起きている |
|
また、文書管理システム自体が備えている機能にくわえて、どのような外部サービスと連携できるのかも確認しましょう。
電子契約サービスやチャットツールなど現在使用しているサービスがあれば、文書管理システムと連携することで、双方ともに使い勝手が向上します。
7-2. セキュリティ対策が十分か
安心できる文書管理システムを導入するには、セキュリティ対策が十分であるかを確認しましょう。
文書管理システムには、顧客の個人情報や社外秘のノウハウなど社外に漏れては困る秘密情報も保存するため、セキュリティ機能が十分の備わったシステムでなければ安心して利用できません。
システムのセキュリティ面をチェックするには、以下のような機能を確認しましょう。
情報セキュリティの国際標準に 準拠している規格認定 |
|
---|---|
一般的なセキュリティ機能 |
|
なかでも、セキュリティの管理レベルが国際基準を満たしている証明となるISO/IEC 27001の取得(ISMS認証)は、文書管理システムの安全性を判断する際のわかりやすい目安となります。
無理なく利用できる料金か
文書管理システムを選ぶうえで、システムの利用料が無理なく支払える金額であるかは、しっかり検討すべきポイントです。
文書管理システムは、導入時やデータの移し替えにコストや手間がかかるため、一度導入を済ませると他のシステムには乗り換えづらくなってしまいます。
会社の収支を圧迫しないように予算を組み、無理なく支払える料金のシステムを選んだほうが、将来的に余計な手間や出費が発生するのを防げるでしょう。
たとえば、複数のプランを用意しているシステムであれば、料金が安いプランから試してみるのもおすすめです。安価なプランでも、会社の規模や事業内容によっては機能的に十分な場合もあります。
一例を出すと、当社オプティムが提供するOPTiM 文書管理では、ストレージ容量に応じたプランを用意しています。各プランに10GBの追加ができるオプションを組み合わせられるため、必要なストレージ容量に応じた料金に抑えることが可能です。
使いきれないほどのストレージ容量がついているサービスは、そのぶん利用料金が割高になっているかもしれません。必要量に応じたプランのほうが、コストカットにつながりやすいでしょう。
安価なプランを利用してみて、「ストレージ容量が足りない」「機能が足りない」といった不足を実感した場合にアップグレードを検討すると、自社に必要十分なシステムを導入しやすくなります。
7-4. 自社に適した提供形態か
文書管理システムにはいくつかの提供形態があるため、システムを選ぶ際には「どのような提供形態が自社に適しているか」も検討しなければなりません。
文書管理システムは、大まかにわけると以下の3つの提供形態があります。
提供形態 | 特徴 | おすすめするケース |
---|---|---|
クラウド型 |
サービス提供者が構築しているシステムを、インターネットをとおして利用する |
|
オンプレミス型 |
自社のサーバー内でシステムを構築・管理する |
|
パッケージ型 |
ソフトウェアから自社サーバーにシステムをインストールする |
|
文書管理システムの最近の主流は、手軽に導入しやすいクラウド型です。初期費用が無料のところも多く、多数のサービスが展開されています。
セキュリティの強化やカスタマイズの自由度を優先する場合はオンプレミス型、カスタマイズ性は低いものの自社サーバー内にシステムを設置できるパッケージ型など、自社の要望や予算に合わせて判断しましょう。
7-5. 直感的に使えるか
文書管理システムの「操作性のよさ」も、システムを選ぶ判断材料にしましょう。
文書管理システムが直感的に操作しやすいものであれば、実際にシステムを使用する現場により早く浸透し、すぐに活用できます。
「マニュアルを見ながらでないと操作できない」「なかなか使い慣れないから、前よりも業務に時間がかかる」といった事態を避けられるでしょう。
システムが直感的に使えるかどうかを判断するには、実際にシステムを利用できる無料トライアルの活用がおすすめです。ネットの情報や資料などだけでは判断しにくい、システムの操作性や見た目のわかりやすさなどを実際に体験できます。
多くの文書管理システムでは、1週間から1か月程度の無料トライアルが提供されています。導入を検討する際には、いくつかのシステムでトライアル利用してみると比較しやすくなるでしょう。
7-6. 必要なサポート体制があるか
最後に、文書管理システムのサポート体制もチェックしておきましょう。
とくにシステムの導入時や運用が軌道に乗るまでは、システム上の設定や利用方法などで不明な点が出てくることが多いため、サポート体制が充実しているほうが安心です。
たとえば、以下のような体制があるサービスは、充実したサポートを提供しているといえるでしょう。
- 専任の担当者による導入サポート
- 電話やメール、チャットなどで個別の問い合わせに対応可能
- 全社向け説明会やオンラインセミナーの提供
サポート体制がしっかりしていると、ITスキルに不安のある場合でも、導入から安定運用までスムーズに進めていけます。
8. 【社内文書全般の管理に強い】文書管理システム6選
ここからは、あなたの会社にピッタリの文書管理システムを実際に見つけてもらえるように、おすすめの文書管理システムをご紹介します。
文書管理システムは、各サービスによって特徴や強みが異なります。ここでは、文書管理システムを「社内文書の管理に強い」タイプと「文書作成や共有に強い」タイプの2つに分けてご紹介します。
社内文書全般の管理に強いタイプは、すでに作成された文書の活用や保管をサポートする機能を備えた一般的な文書管理システムです。たとえば、検索機能やバージョン管理、アクセス権限設定などが搭載されています。
本記事では、7.自社に最適な文書管理システムを選ぶポイントをふまえたうえで、機能に特徴があるものや、コスパに優れたのもなどを6つピックアップしました。
それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
8-1. OPTiM 文書管理|高精度AI搭載で紙や画像もすぐ探せる状態に
サービス名 |
OPTiM 文書管理 |
|
---|---|---|
提供形態 |
クラウド |
|
主な機能 |
全文検索、AIによる口語検索、AIの自動抽出・分類による台帳自動作成、AI-OCR、操作権限管理、期限通知など |
|
最安プラン | 初期費用 |
0円 |
月額料金 | ||
ストレージ容量 |
3GB |
|
ユーザー数 |
無制限 |
|
セキュリティ |
ISO/IEC 27001取得、HTTPSでの暗号化、2段階認証、システムの冗長化、脆弱性診断クリアなど |
|
サポート |
導入前~運用開始はカスタマーサクセスで一貫サポート 安定稼働後はカスタマーサポートで問い合わせ対応 |
|
電子帳簿保存法への対応 |
×(姉妹品のOPTiM 電子帳簿保存とセット利用で対応可能) |
|
無料トライアル |
○(1か月、100ファイルまで) |
※2025年1月時点での価格です
OPTiM 文書管理は、文書解析AIによる契約書管理で高評価を受けるOPTiM Contractの姉妹品として、新たに開発された文書管理システムです。
以下の特徴により、「台帳作成、文書管理の手間を省きたい」「精度の高いAIを搭載したシステムをコスパ良く導入したい」といったニーズに応えます。
AI-OCRを全プランで標準搭載:手書き文字や低dpiのデータが含まれた紙のスキャンデータもAI解析が可能。画像やDocuWorksまで対応できます。
高い検索性:AIを活用した検索機能は、PDFデータを含めた全文検索はもちろん、口語での検索や類似する画像や図面を検索できる機能も近日提供予定です。
自動の台帳作成:OPTiM Contractで培ったAI解析技術により、自動での台帳作成が可能です。
アップロードされたデータから指定の項目を自動抽出。
法定文書から、商品仕様書や会議の議事録といった業務独自の書類まで幅広い文書を解析できます。
このように、OPTiM 文書管理は高性能なAI機能を備えながらも、料金設定はリーズナブルなのも大きな利点です。
社内のあらゆるフォーマットの文書管理に対応し、検索や台帳作成においてAIのサポートが受けられる費用対効果の高さが魅力です。
8-2. 楽々Document Plus|幅広い文書の管理に対応
サービス名 |
楽々Document Plus |
|
---|---|---|
提供形態 |
クラウド・オンプレミス |
|
主な機能 |
全文検索機能、簡単登録/登録自動化、高速ビューワ、ワークフロー、契約書管理(自動通知・更新)など |
|
最安プラン | 初期費用 |
330,000円(税込) |
月額料金 |
99,000円(税込) |
|
ストレージ容量 |
100GB |
|
ユーザー数 |
100 |
|
セキュリティ |
TLSによる通信暗号化、作業履歴・アクセスログ、PDFファイルへの透かし挿入など |
|
サポート |
サポートサイト(問い合わせ対応や新機能やノウハウ提供) |
|
電子帳簿保存法への対応 |
○(スキャナ保存要件、電子取引要件のJIIMA認証取得) |
|
無料トライアル |
要問い合わせ(デモ可能) |
※2024年12月現在の価格です
楽々Document Plusは、契約書やISO文書、図面など、幅広い文書管理が可能な多機能システムです。
さまざまな文書に対応できる楽々Document Plusは、以下のようなシーンに役立ちます。
契約書の管理:クラウドサインやDocusign、GMOサインといった電子契約サービスとの連携が可能。契約書の期限管理機能も備えているため、契約締結や管理にかかる労力を軽減できます。
ISO文書への対応:ISO9001/14001における文書管理の要求事項に対応。ISO認証の取得や維持を目指す企業の文書管理をサポートします。
紙文書の管理:紙文書の電子化をサポートする自動登録と自動振り分け機能を掲載。紙文書のスキャンデータをファイルサーバーの指定フォルダに保存するだけで、簡単に登録できるため、「紙文書の文書管理もシステムに任せたい」という要望にも対応できます。
また、これら幅広い文書を検索できるAI技術が搭載された検索機能も、楽々Document Plusの強みです。
検索エンジンパッケージ市場8年連続シェアNo1という実績をもつ「QuickSolution」を標準搭載し、表記揺れにも影響を受けない全文検索が可能や、紙文書のOCR処理によって漏れのない検索を実現しています。
8-3. MyQuick|気軽に試せるスタータープラン
出典:MyQuick
サービス名 |
MyQuick |
|
---|---|---|
提供形態 |
クラウド、オンプレミス |
|
主な機能 |
全文検索、管理情報抽出、期限管理、アクセス・操作権限の設定など(上位プランにはGPT連携機能、OCR機能など) |
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最安プラン | 初期費用 |
0円 |
月額料金 |
22,000円(税込) |
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ストレージ容量 |
10GB |
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ユーザー数 |
無制限 |
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セキュリティ |
IPアドレス制限、ファイル暗号化、Microsoft Entra ID(Entra ID)と連携によるシングルサインオン、記録・証跡管理 |
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サポート |
サポートデスク、Web面談 |
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電子帳簿保存法への対応 |
○(スキャナ保存要件、電子書類ソフト要件のJIIMA認証取得) |
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無料トライアル |
○(1か月) |
※2024年12月現在の価格です
MyQuickは、社員数が多くても、気軽な料金で始められる文書管理システムをお探しの企業におすすめです。
10GBのストレージ容量を備えたスタータープランは、初期費用無料・月額22,000円(税込)という割安な料金ながらも、ユーザー数に制限がありません。
MyQuickの便利なポイントは、文書同士の親子関係を指定登録できる点です。
関係する契約書がツリー形式で表示されるため、「契約書に覚書が存在するのか」といった確認が一目で可能です。項目に入力された情報から、文書を自動で分類する機能も備えています。
また、基本機能としてグローバルIPアドレスによるアクセス制限がついているため、スタータープランでも安心のセキュリティ環境で利用できます。
スタンダードプラン以上には、電子契約サービス(クラウドサイン、Docusign、GMOサイン)との連携機能を搭載。アラートを細かく設定できる期間管理機能とあわせて、契約書の管理にも活用できます。
さらに、OCRやGPTとの連携、拡張ワークフローといった多彩な機能をもつ上位プランも用意。
「はじめは安価なプランから導入して、必要に応じて多機能なプランへとグレードアップを検討したい」というニーズに応えられます。
8-4. Fleekdrive|強固なセキュリティを求める方に
出典:Fleekdrive
サービス名 |
Fleekdrive |
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---|---|---|
提供形態 |
クラウド |
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主な機能 |
全文検索、ブラウザプレビュー、バージョン管理、共同編集など(上位プランは、ワークフロー、アクセス・操作権限設定などが追加) |
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最安プラン | 初期費用 |
0円 |
月額料金 |
6,600円(税込) ※1ユーザー660円(税込)、最低利用10ユーザーから |
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ストレージ容量 |
100GB ※10ユーザの場合(10GB×契約ユーザ数) |
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ユーザー数 |
10 |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27017取得、IPアドレス制限、ファイル暗号化、ウイルスチェック、シングルサインオン、証跡機能など |
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サポート |
導入前サポート、サポートフォーム(有償で24時間サポートサイト) |
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電子帳簿保存法への対応 |
オプション対応(スキャナ保存要件、電子取引ソフト要件のJIIMA認証取得) |
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無料トライアル |
○(全プラン30日間) |
※2024年12月現在の価格です
金融機関からも認められる高いセキュリティ性が魅力のFleekdriveは、「自社のデータを強固なセキュリティ環境で管理したい」というニーズに最適なサービスです。
Fleekdriveのクラウドインフラは、高いセキュリティ水準を誇る「AWS(Amazon Web Services)」を採用。アップロードされた情報は国内3か所に分散保管し、24時間体制の監視もオプションで選択可能です。
ほかにも以下のようなセキュリティ機能を備え、信頼を集めています。
- IPアドレス制限
- ファイルごとに変えられる操作権限設定
- アクセスの証跡機能
- 誤送信を防ぐ承認機能
- パスワードや公開期間を設定できるファイル配信機能
システムとして強固なセキュリティを提供するだけでなく、人的なミスによって情報の漏洩や改ざんを防ぐ機能を備えているのが特徴です。
URLで共有可能な公開スペースや共有リンクの発行機能も搭載。社外との情報共有も安全にスムーズに行えます。
「故障や災害時にもデータを安全に保護したい」「社外からの侵入も、社内からの情報漏洩も防ぎたい」といった企業に多く選ばれています。
8-5. Box|あらゆるコンテンツの一元管理に
出典:Box
サービス名 |
Box ※以下、販売代理店伊藤忠テクノソリューションズの場合の情報です |
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---|---|---|
提供形態 |
クラウド |
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主な機能 |
全文検索、プレビュー、ワークフロー、ログ・バージョン管理、アクセス権限設定など |
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最安プラン | 初期費用 |
33,000円(税込) |
月額料金 |
9,900円(税込) ※1ユーザー1,980円(税込)、最低利用5ユーザーから |
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ストレージ容量 |
無制限 |
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ユーザー数 |
5 |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27018、PCI DSS、FedRamp、ISMAPなどさまざまな規格を取得、ファイル暗号化、ログ追跡機能など |
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サポート |
導入前サポート サポートサイト、トレーニングメニュー(有償) |
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電子帳簿保存法への対応 |
○(スキャナ保存要件、電子取引要件に対応可。※JIIMA認証は記載なし) |
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無料トライアル |
○(1か月間) |
※2024年12月現在の価格です
世界中の10万社以上で使用されているクラウドストレージであるBoxは、あらゆるコンテンツの一元管理が可能です。
Boxの最大の特徴は、ストレージ容量が無制限な点です。
1ファイルあたりのサイズ上限は、最安プランは5GBですが、上位プランでは50GBもしくは150GBにアップ。書類データだけでなく、容量の大きい動画ファイルもアップロード可能です。
このため、ストレージの容量を気にすることなく、社内の文書から動画まであらゆるデータの保管を任せられます。
さらに、Boxは1,000以上のアプリと連携できます。業務で使い慣れたツールとシームレスにつながれるため、業務の効率化が進みます。
【Boxで連携できる主なアプリ】
- ZOOM
- Slack
- Microsoft 365
- Google Workspace
- DocuSign
無制限のストレージと、業務で使うアプリとの連携により、情報へのアクセスポイントを1つに絞れます。情報があちこちにちらばった効率の悪い状態を解消するのに、Boxは大きく力を発揮するでしょう。
また、米国の上位500社である「フォーチュン500」企業のうち、67%がBoxのサービスを利用しているほどの信頼性の高さも注目です。グローバルスタンダードなシステムを求める企業におすすめといえます。
8-6. Fileforce|すぐに使いこなせる操作性
出典:Fileforce
サービス名 |
Fileforce |
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---|---|---|
提供形態 |
クラウド |
|
主な機能 |
全文検索、プレビュー、ワークフロー、ログ・バージョン管理、アクセス権限設定、高速ファイル表示、プレビューなど |
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最安プラン | 初期費用 |
0円 |
月額料金 |
10,890円(税込)※1IDにつき1,089円(税込)、最低利用10IDから |
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ストレージ容量 |
100GB |
|
ユーザー数 |
10 |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017取得、データ暗号化、IPアドレス制限、ログ証跡、シングルサインオンなど |
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サポート |
導入前の相談・セミナー オンラインヘルプで操作方法などの問い合わせ対応 |
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電子帳簿保存法への対応 |
オプション対応(電子帳簿ソフト要件のJIIMA認証) |
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無料トライアル |
○(30日間) |
※2024年12月現在の価格です
Fileforceは、パソコン操作に苦手意識をもつ方が多い職場や、システムを導入するためのトレーニングを省きたい方におすすめです。
その理由は、Fileforceの最大の特徴である「エクスプローラーから使えるFileforce Drive」にあります。Fileforce Driveは、ローカルドライブと同様にWindowsエクスプローラーに表示され、使い慣れたいつもの操作方法で利用できます。
たとえば、Fileforce Driveへのファイル保存や移動・コピーは、いつもと同様にドラッグ&ドロップやCtrl+Cなどのショートカットキーで実行。フォルダやファイル名の変更も、右クリックからの操作で行えます。
ファイルサーバーやローカルディスクを操作するのと同じ感覚で利用できるため、導入直後から誰でもすぐに使いこなせます。
Fileforceはレスポンスの良さも魅力です。Windows OSにシームレスに統合し、Windows上のアプリケーションからはローカルディスクと同じものとして認識されるため、クラウドシステムとは感じられないスムーズな操作性を実現しています。
また、Fileforce上から必要な情報のみを同期して表示させるため、パソコンが重くならず快適なファイル表示が可能です。
ファイルサーバーの操作性をそのままに、クラウドストレージの利便性も兼ね備えた文書管理システムといえます。
9. 【文書作成や共有に強い】文書管理システム3選
つづいて、文書作成や共有に強い文書管理システムをご紹介します。
このタイプのシステムは、文書の作成から活用、保管まで一貫した文書管理が行えます。
とくに、文書の作成機能に強みをもつシステムが多いのが特徴です。
誰でも質の高い文書を作成できるエディタや、共有しやすい仕組みにより、マニュアルを作成したり、業務の内容や進捗を共有したりする使い方に力を発揮します。
各システムの詳細を説明していきます。
9-1. DocuWorks|効率化が進む機能が豊富
出典:DocuWorks
サービス名 |
DocuWorks |
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---|---|---|
提供形態 |
パッケージ(サブスク・標準ライセンス) |
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主な機能 |
文書作成、共同編集、ワークフローなど Working Folderとのセットにより、検索機能、アクセス・操作権限の設定など |
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最安プラン | 初期費用 |
要問い合わせ |
月額料金 |
990円(税込) (Working Folderとのセット価格 5ユーザーで6,380円(税込)) |
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ストレージ容量 |
要問い合わせ (Working Folderとのセットによりクラウドストレージが付く) |
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ユーザー数 |
1 (Working Folderとのセットは5ユーザー) |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27001、プライバシーマーク取得 (Working Folder:データ暗号化、冗長構造、IPアドレス制限など) |
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サポート |
ヘルプデスクサポートで電話やメールでの問い合わせ対応 会員制サイトで、オンラインセミナーや活用のヒントを提供 |
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電子帳簿保存法への対応 |
×(DocuWorks+Working Folder+「DocuWorks 文書情報エントリー 2」によって、電帳法の電子保存要件に対応) |
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無料トライアル |
○(60日間) |
※2024年12月現在の価格です
DocuWorksは、複合機やFAXとの連携を強みとし、業務の効率化が進むユニークな機能が豊富なソフトウェアです。
クラウドストレージ機能をもつWorking Folderとセットで利用することで、文書作成や編集、受け渡し、承認、保存といった、ドキュメントにまつわる業務を一貫してサポートします。
【DocuWorksの業務効率化に役立つ機能の一例】
DocuWorks Desk:パソコン上の机であるDocuWorks Deskでは、紙文書をデスクの上に並べて作業するような感覚で、束ねたりばらしたりといったファイル単位での編集が可能。WordやExcel、紙文書などさまざまな形式で作成されたデータが、DocuWorks文書に変換して1つの文書にまとめられるため、作業がはかどります。
DocuWorks Viewer:紙文書と同様に、付箋やマーカー、矢印を加えたり、切り取り・貼り付けしたりといった編集作業が行えます。
お仕事バー:アイコンを並べて業務のフローを登録できるお仕事バー機能で、定型業務の効率化も促進。アイコンどおりに操作するだけで業務が進み、進捗状況もチェックできるため、業務の共有も簡単です。
ほかにも、多彩なワークフローをサポートする以下のような機能も充実しています。
- 文書の受信を視覚的に察知できる「トレイ」によるデータの受け渡し
- 複合機・FAXとの連携で自席にいながらのファクス送受信
DocuWorksは、紙文書のメリットである「目に見えるわかりやすさ」を残しながら、電子文書で業務効率をアップさせたい企業におすすめです。
9-2. NotePM|高機能エディタで文書作成に強み
出典:NotePM
サービス名 |
NotePM |
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---|---|---|
提供形態 |
クラウド |
|
主な機能 |
高機能エディタ、共同編集、全文検索、変更履歴管理、アクセス・操作権限の設定など |
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最安プラン | 初期費用 |
0円 |
月額料金 |
4,800円(税込) |
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ストレージ容量 |
80GB |
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ユーザー数 |
8 ※見るだけのユーザーは無料(上限:ユーザー数の3倍) |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27001取得、データの暗号化、アクセス・監査ログ、IPアドレス制限、バックアップ、24時間サーバー監視など |
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サポート |
ヘルプセンターや問い合わせフォームで対応 |
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電子帳簿保存法への対応 |
記載なし |
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無料トライアル |
○(30日間) |
※2024年12月現在の価格です
社内Wikiの作成ツールとして定評のあるNotePMは、高機能なエディタとテンプレートで文書の品質を均一化できる点が魅力です。
「ノウハウやナレッジの共有に力を入れたい」「属人化を解消したい」といったお悩みに役立つ機能が揃っています。
NotePMは、誰でも簡単に質の高い文書が作れる作成機能や、ナレッジ共有やマニュアル作成に役立つテンプレートが充実。活用状況のレポートや人気ページのランキング、いいね!・コメント機能などの仕組みがあるため、「有益な情報を文書化して共有しよう」という社員の意欲が高まります。
全文検索も可能な検索機能と、ユーザー数に合わせた十分なストレージ容量のおかげで、社内に分散しているナレッジの一元管理が可能です。「わからないことはまずNotePMで確認」という体制を作れることで、属人化の解消につながります。
通常業務に役立つ、営業日報や議事録、作業手順書、目標管理シートなどのテンプレートも豊富です。シンプルで直感的に使いやすい操作性であるため、運用がより定着しやすくなるでしょう。
NotePMの導入によって、社内のナレッジ共有が促進され、業務の効率化や教育コストの削減を目指していけます。
9-3. Confluence|社内のコミュニケーションを促進
出典:Confluence
サービス名 |
Confluence |
|
---|---|---|
提供形態 |
クラウド、オンプレミス |
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主な機能 |
文書作成、共同編集、検索機能、プレビュー機能、履歴管理、アクセス・操作権限設定など(上位プラン:AIによる要約機能など) |
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最安プラン | 初期費用 |
要問い合わせ |
月額料金 |
0円(フリープラン)~ |
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ストレージ容量 |
最大2GB |
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ユーザー数 |
10 |
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セキュリティ |
ISO/IEC 27001取得、データ暗号化など(上位プランでIPアドレス制限、監査ログなど)※有償のAtlassian Guard Premiumでデータ保護や脅威検出が可能 |
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サポート |
プランによって異なる |
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電子帳簿保存法への対応 |
要問い合わせ |
|
無料トライアル |
○(7日間) |
※2024年12月現在の価格です
Confluenceは、世界で20万社を超える顧客数を誇るアトラシアンが提供するドキュメント作成・共有支援ツールです。
自由なコンテンツ作成と社内外との共有が強みであり、リモートワークなどを含めた組織全体の共同作業とコミュニケーションをスムーズに進めたい企業に選ばれています。
Confluenceでは「ページ」という単位で文書を作成し、Wordと同じ感覚で操作できる点が特徴です。用意されたテンプレート以外にも、日常業務で使う文書のテンプレートを自作して登録でき、Confluence内の画像や動画なども自由な埋め込みが可能です。
作成したページは共有ボタンを押すだけで特定のユーザーに通知ができるため、別で通知する手間がかかりません。リアルタイムでの共同編集やコンテンツへのコメント、外部との共有も気軽に行えます。
必要なページの更新時に通知が受けられるウォッチ機能や、トップページに表示されるダッシュボードなど、チームの最新情報を受け取りやすい仕組みも便利です。
社内Wikiの作成から、プロジェクト管理、企画書の作成、会議の議事録保存など、文書が必要となるさまざまなシーンで、「わかりやすい文書を効率的に共有できるツール」として活用できます。
無料で使えるフリープランもあるため、気軽に試してみたい方にもおすすめです。
10. まとめ
本記事では、文書管理システムの必要性やメリット・デメリット、業務効率アップが見込めるケースなどをまとめました。
企業が取り扱う文書は今後も増え続けるため、法令遵守や業務効率を考慮した適切な管理方法として、文書管理システムの必要性が高まっています。
文書管理システムを導入するメリットとデメリットは、以下のとおりです。
- 文書の検索性が向上する
- 文書の共有や承認がスムーズに行える
- どこからでも文書を確認できる
- 管理コストを削減できる
- 初期費用やランニングコストがかかる
- 運用を定着させるための労力がかかる
文書管理システムの導入により、
- 管理台帳への入力
- 文書の検索
- 有効期限の管理
などにかかる手間や時間を削減でき、業務効率のアップが見込めます。
自社に最適な文書管理システムを選ぶには、以下のポイントに着目しましょう。
- 自社の課題を解決できる機能があるか
- セキュリティ対策が十分か
- 無理なく利用できる料金か
- 自社に適した提供形態か
- 直感的に使えるか
- 必要なサポート体制があるか
ペーパーレス化や取り扱うデータ量の増加が進む時代において、最適な文書管理システムの導入は、あなたの会社を守り成長させるのに欠かせない取り組みといえるでしょう。
この記事を参考にしていただき、あなたの会社の躍進につながる文書管理システムを選定してもらえることを願っています。

