【記載例あり】見積書の有効期限はどう書く?文言や記載場所も解説

公開日:2025/03/18

「見積書の有効期限は実際のところどう書けばよいの?」

「見積書の有効期限の記載例を確認したい…」

有効期限の記載は法で定められているものではないため、確固としたルールが存在しません。

そのため、いざ記載しようとした際に「結局のところ、どのように記載すれば良いのか…」と悩んでしまうこともあるでしょう。

結論からいえば、見積書の有効期限は主に以下のような記載方法が挙げられます。

実際の記載例を見ることで、すぐにでも有効期限を記載した見積書を作成できるようになるでしょう。

しかし、有効期限の記載方法は、一文を入れ忘れただけでも、お客様とのトラブルを誘発する可能性もあるのです。

有効期限の記載は、文字にすればたった1行ほどのものですが意外に奥が深いもの。そこで本記事では、見積書における有効期限を過不足なく記載できるよう、以下の点について解説していきます。

この記事で分かること

◎見積書における有効期限の記載例(単発・継続)

単発見積の場合は「見積書における有効期限の記載例【単発見積もりの場合】

継続前提の見積の場合は「見積書における有効期限の記載例【継続前提の場合】」をご覧ください。

◎見積書における有効期限のNG例

◎見積書に有効期限を記載する際のポイント

◎有効期限が記載された見積書を適切に管理する必要性

本記事を読むことで、見積書の有効期限をすぐに記載できるようになることはもちろん、見積書を利用して、より契約へと促す方法まで理解できるようになるはずです。

見積書における有効期限の書き方について知りたいのであれば、ぜひ最後までご参考ください。

1.見積書における有効期限の記載例【単発見積もりの場合】

ここでは、単発の取引における見積書について、記載例を文言・記載場所ごとに紹介します。

1-1.有効期限は端的に分かりやすく記載

まずは、実際にどのように有効期限を表現するのか、文言の記載例について見ていきましょう。

先述したように、見積書の有効期限には明確な記載ルールが存在しません。そのため、自社にとって都合の良い文言を選べば問題ありません。

文言

記載する状況・企業

20××年〇月〇日

契約までのスピードが迅速だと見込まれる場合

発注側が急いでいる場合など

見積日より〇ヶ月以内/お見積り後〇ヶ月

契約の見込みが低い

相見積もりの場合など

上記の他にも「作成日より〇ヶ月」などといった文言でもOKです。

有効期限を記載する際のポイントは文言の選び方より、端的かつ分かりやすく記載することが大切です。

「見積日より」「お見積り後」など、前提条件を併せて記載することで、いつからいつまでが有効期限なのかが分かりやすくなります。

1-2.記載場所はトップか備考欄

見積書の有効期限を記載する場所は、以下の通りです。

・宛名や見積金額を記載するトップ部分

・備考欄

実際の記載例でみると、以下のようになります。

【トップ部分に記載した場合:1】

【トップ部分に記載した場合:2】

【備考欄に記載した場合】

記載する場所も、文言と同じく明確なルールは定められていません。

そのため、現在の見積書のレイアウトに合わせて記載欄を追加していくと良いでしょう。

強いていうのであれば、件名の下に有効期限を持ってくる傾向が多いといえますが、有効期限の他に、特記事項も記載したい場合は備考欄への記載でも問題ありません。

2.見積書における有効期限の記載例【継続前提の場合】

継続前提の見積書でも、有効期限は記載することが原則だといえます。ただ、継続が前提となっている場合、明確な有効期限を記載しない場合があります。

記載場所と併せて、それぞれの例を見ていきましょう。

2-1.継続前提の場合も端的かつ分かりやすくが原則

単発継続と同じく、継続前提の場合も基本的には単発契約と同じく、端的に分かりやすく記載します。

ただ、継続前提だからこその文言も存在します。以下、文言の記載例を見てみましょう。

見積書における有効期限の記載例

単発見積もりのときと同じように、一目で期限がいつなのかが分かるよう端的に示すようにしましょう。上記の記載例以外では、以下のような文言を利用することがあります。

文言

記載する状況・企業

20××年〇月〇日まで

契約までのスピードが迅速だと見込まれる場合

発注側が急いでいる場合など

見積日より〇ヶ月以内/お見積り後〇ヶ月

契約の見込みが低い

相見積もりの場合など

有効期限 20××年〇月以降価格改訂する場合は両社協議の上で設定とする

商社など、製品やサービスの価格変更が起きやすい、世情に左右されやすい場合など

例で是示したように、継続が前提となっている場合、明確な期限を設ける他に条件の文言が付くケースもあります

取引先との関係性によっても異なるため、より柔軟な選択が必要だといえます。

2-2.明確な期限を記載しない場合は「次回見積り/改定時」を期限として記載

継続前提の場合、見積書の有効期限を明確に示さないケースもあります。

明確な期限を決めないケースとしては、期限を定めることで、かえって事務仕事が増えることを避けたい場合などがあります。

その場合は、以下のような文言を用いるケースがあります。

明確な期限を記載しない場合の記載例

文言の種類と、選ぶ際の目安は以下の通りです。

明確な期限を記載しない場合の文言

文言

記載しやすい企業・状況

次回見積もりまで

価格の改定が起こりにくい製品・業界の場合

次回改定まで

定期的に価格改定が起こる・世情に左右される可能性が高い製品や業界の場合

基本的に意味は同じですが、価格の改定が起こりにくいケースと、製品やサービスの価格が比較的定期的に変更する可能性が高いかで使い分けることが可能です。

もちろん、企業ごとであらかじめ「このように書く」と決められているケースもあるため、まずは自社のルールを確認しましょう。

2-3.有効期限の記載欄はトップか備考欄

有効期限を記載する場所については、継続前提の見積であっても、単発見積もりの場合とほぼ同じです。以下、2つの場所について見てみましょう。

・宛名や見積金額を記載するトップ部分

・備考欄

実際の記載例は以下の通りです。ここまで触れてきたトップ部分とは、また別の部分に記載するケースを見てみましょう。

トップ部分に記載した場合

備考欄に記載した場合

記載場所については、条件の文言をつけたいなど、文字数が多くなる場合は備考欄に書く、程度の認識で問題ありません。

3.見積書における有効期限の記載例【NG版】

見積書のNGになる有効期限とは、解釈の幅が広い有効期限や単純な間違いを指します。

解釈の幅が広いと、見積書の発行側と受領側で認識が異なる可能性があるためです。また、有効期限の記載間違いは、シンプルに無効となるため注意が必要です。

上記の図で示した例では、以下のような誤解を招く恐れがあると考えられます。

NG

内容

有効期限:1ヶ月

いつから1ヶ月なのかが分からない、あいまいな表現になっている

発行年月日:2025年1月30日

有効期限:2024年2月14日

単純な記載ミス。見積日より有効期限が過去になっているため無効

「有効期限1ヶ月」とだけ記載している場合、いつから1ヶ月なのかがあいまいになりがちです。見積書を受け取った日なのか、発行日(作成日)なのかと迷ってしまいますよね。

発行日から提出までに時間がかかってしまえば、期限までの日数も大きく変わります。

そのため、解釈の幅が広い有効期限にしてしまうと、認識のずれによって契約成立のチャンスを逃す可能性も出てくるのです。

誤解を招かないためには「20××年〇月〇日まで」と、期日をピンポイントで示す方がおすすめだといえます。

4.見積書に有効期限を記載する際のポイント

実際の記載例を確認した後は、見積書に有効期限を記載する際のポイントを見ていきましょう。ここで紹介するポイントは、以下の3つになります。

・発効後は見積額の変更ができないため有効期限は慎重に決める

・有効期限の決め方はルール化しておく

・設定した有効期限を関係者と共有しておく

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.発効後は見積額の変更ができないため有効期限は慎重に決める

有効期限を記載した見積書を発行した後は、原則として期限の変更ができません。結果的に見積額の変更もできなくなるため、有効期限は慎重に決める必要があります。

なぜなら、単純に有効期限内でも価格や条件の変更が必要になる可能性があるからです。

そもそも有効期限を決める目的の一つは、期限を切ることで未来に起こるであろう価格や条件変更に備えるためです。

例えば、「3年前の見積書だけれど、有効期限がなかったから3年前の価格のままでお願い」などと言われないための保険的な役割を果たします。

ただ、急激な為替レートの変動や天災など、予測できない理由によって、有効期限内であっても急遽価格・条件変更が必要にならないとは言い切れません。

このようなことが起きた場合、見積書の有効期限は、かえって自社を縛る枷になってしまうのです。

先述したように、見積書に有効期限を設けた場合は、原則として期限の変更ができません。

併せて価格や条件の変更もできないため、有効期限の設定は、事業を取り巻く状況を考慮し、ごく慎重に行う必要があるのです。

4-2.有効期限の決め方はルール化しておく

有効期限の決め方は、あらかじめ社内でルール化しておきましょう。

ルール化しておくことで、有効期限を決めやすくなったり、作成する人によって期限がばらつくリスクを抑えられたりします。

先述したように、見積書の有効期限を決めるためには、ひどく慎重になる必要があります。期限を切ったことで、かえって赤字になるようでは、見積書に有効期限を決める意味がなくなってしまいますよね。

また、独自で決めた期限のせいで、価格変更ができない・赤字になるとなれば、期限を決めた社員が感じるプレッシャーは非常に大きなものになるはずです。

このようなことを起こさないためにも、あらかじめ有効期限のルールを決めておくべきなのです。

有効期限の決め方については、業界別や状況によって左右されるため、自社にとって一番良いと思えるルール作りを模索してみましょう。

期限を決める目安としては「見積書に有効期限は必須!その理由や業界・状況別の決め方を詳細解説」で触れているので、こちらも参考にしてください。

4-3.設定した有効期限を関係者と共有しておく

見積書に設定した有効期限を関係者と共有しておくことも大切です。

なぜなら、有効期限を把握していないと、その後の流れが分からないままになるからです。

例えば、社員の1人が見積書を作り取引先に提出したとしましょう。見積書の有効期限を把握していれば、期限が近くなった時点で「見積書を出した取引先は契約につながりそうか?」と聞くこともできますよね。

一方、有効期限を把握していなかった場合「提出した社員が何も言ってこないから、有効期限はまだ先なんだ」または「契約しなかったんだろう」と考えてしまうかもしれません。しかし、実際には契約が取れていたとしたら、いきなり契約に向けて動かなければいけなくなります。

このようなことを起こさないためにも、関係者が複数になる場合は必ず有効期限も共有しておきましょう。

5.有効期限が記載された見積書を適切に管理することも重要

有効期限を適切に記載することはもちろん、見積書そのものを適切に管理することも大切です。

見積書は証憑書類になるため、法によって保存が義務付けられています。また、適切に管理できれば「契約成立を促す」効果を底上げすることも叶います。

「有効期限の記載忘れなしに発行できたから、後は放っておいてOK」と考えないよう注意しましょう。

それぞれのポイントとして大切になるのは以下の2点です。

・有効期限が切れる前に顧客にリマインド送って契約を促す

・すぐに内容が確認できるように保管しておく

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

5-1.有効期限が切れる前に顧客にリマインド送って契約を促す

見積書の有効期限が切れる前に、お客様にリマインドを送りましょう。

なぜなら、うっかり確認し忘れていただけのお客様であれば、改めて期限に気が付くことで契約を進め始める可能性があるからです。

日々の業務に忙しくしていたせいで、期限間近になっても会議や稟議を通せていなかった場合、そのまま契約を流してしまうこともありますよね。

しかし、有効期限より早めにリマインドを送っていれば、会議のための時間を取ることができるはずです。

このように、お客様が契約に意欲的になってもらえる効果も期待できるでしょう。

そして、ベストなタイミングでリマインドを送るには、見積書に記載した有効期限を自社でしっかり把握しておくことが大切だといえるのです。

5-2.すぐに内容が確認できるように保管しておく

有効期限を記載した見積書は、すぐに内容が確認できるように保管しておくことも大切です。

先述したように、有効期限が切れる前にお客様にリマインドをしたり、見積内容に問い合わせがあったりした際などもすぐに返事ができるようにしておくためです。

見積書の保管方法は、主に以下2つの方法になります。

保管方法 やり方 特徴
紙ベースで保管する 事業年度ごと、取引先ごとでファイリングして保管 初期費用がほぼ必要ない
紙の書類を扱っていた人にとってはなじみ深い
書類を置く場所が必要
保管書類が多くなると、目的の書類が見つけにくい
データで保管する ・Excel
・ファイルサーバー等を利用・専用システムを導入
目的の書類を見つけやすくなる
書類の置き場所が必要ない
多機能なシステムであれば、自動化や期日管理も任せられる
導入・ランニングコストがかかる

どちらも一長一短といえますが、将来を考えるのであれば、データによる保管が断然おすすめです。

見積書は証憑書類の中でも、保管すべき数が非常に多い書類です。膨大な書類を適切かつ手軽に管理しようとする際、紙ベースのままでは難しいと言わざるを得ません。

すぐに内容を確認できるよう、適切な保管を実現するためにもデータによる保管がおすすめです。

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6.まとめ

本記事では、見積書における有効期限の記載例について紹介してきました。文字で読むよりも、実際の例を見ることで有効期限を記載しやすくなったのではないでしょうか。

また、見積書に有効期限を記載するには、いくつか知っておくべきポイントもあります。

  • 発効後は見積額の変更ができないため有効期限は慎重に決める
  • 有効期限の決め方はルール化しておく
  • 設定した有効期限を関係者と共有しておく

特に、見積書を発行すると価格の変更ができない点は、適切な有効期限を決めるためにも必ず知っておかなければなりません。有効期限の決め方をルール化するなど、ポイントを踏まえて見積書の有効期限を記載していきましょう。