請求書の支払期限で迷ったら読む記事:設定法や未払い時の対応を解説
公開日:2025/03/18
「請求書の支払期限って、いつに設定するのがベストなのだろう」
「未払いを防ぐためには、どのように支払期限を決めたらよいのか」
このような疑問を抱えたことはありませんか。
受注側の立場であれば、資金繰りを安定させるために最適な支払期限を設定する必要があります。一方、発注側の立場であれば、支払期限を管理し、うっかり期限を過ぎてしまわないよう注意が必要です。
請求書の支払期限を適切に設定・管理することは、ビジネスの重要ポイントといえます。うまく運用できなければ、キャッシュフローの悪化や取引先との信頼関係の毀損につながりかねません。
本記事では、請求書の支払期限に関する基本的な知識から、具体的な設定方法、未払いが発生した際の対応策まで、体系的に解説します。
キャッシュフロー改善と取引先との信頼関係の構築にお役立てください。
請求書の支払期限を適切に設定するには、まず、支払期限の意味と法的な背景を正しく理解する必要があります。ここでは、支払期限の定義や時効との関係など、知っておくべき基本事項を見ていきましょう。
- 請求書における支払期限の定義
- 支払期限の重要性
- 支払期限と時効:押さえておくべき法的事項
- 支払期限を明確にしない場合に起こり得るトラブル
1-1.請求書における支払期限の定義
請求書における支払期限とは、取引先に対して代金の支払いを求める期日のことです。
つまり、支払期限までが買い手側の支払猶予期間になり、支払額や支払方法を準備する期間として機能します。一方、売り手から見れば、支払期限はキャッシュフローを予測し、資金繰りを計画するための重要な目安となります。
支払期限はなぜ重要なのかといえば、以下3つのポイントが挙げられます。
【支払期限の設定の重要性】
- 資金繰り:支払期限が短すぎると、買い手側のキャッシュフローを圧迫します。適切な支払期限の設定は、取引先との良好な関係を維持するうえで重要です。
- 未払いの防止:支払期限が曖昧だと、買い手側が支払いを忘れたり、故意に引き延ばしたりするリスクがあります。明確な支払期限を設けると、未払いを防ぎやすくなります。
- 与信管理:取引先の支払状況を把握し、適切な与信管理を行ううえでも、請求書の支払期限は重要な指標となります。
支払期限は、売り手側と買い手側双方の資金繰りに直結する重要な事項です。双方にとって無理のない支払期限を設定し、円滑な取引を行うことが大切です。
1-3.支払期限と時効:押さえておくべき法的事項
支払期限と関連する法律としては、消滅時効の規定も理解しておきましょう。消滅時効とは、一定期間、権利を行使しなければ、その権利が消滅する制度です。
【売掛金の消滅時効】
- 原則:売掛金(債権)の消滅時効は、債権者が権利を行使できることを知ったときから5年間、または権利を行使できるときから10年間です(民法166条1項)。
- 起算日:支払期限の定めのない場合は債権発生日が、支払期限の定めがある場合は、支払期限の翌日が起算日となります。
- 時効の完成猶予と更新:催告があったときは、そのときから6カ月を経過するまでの間は、時効は完成しません(民法150条1項)。また、裁判上の請求などによって時効の完成が猶予され、確定判決などによって権利が確定したときは、その事由が終了したときから新たに時効が進行します(民法147条)。
支払期限が過ぎた請求がある場合、そのまま放置すればやがて権利が消滅してしまいます。時効の消滅前に、確実な権利行使を行うようにしましょう。
出典:「民法」(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
1-4.支払期限を明確にしない場合に起こり得るトラブル
請求書に支払期限を明記しなかったり、曖昧な表現で済ませたりすると、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。支払期限を明確にしないことで起こり得る問題点を確認しておきましょう。
【支払期限を明記しないリスク】
- 支払遅延:支払期限が不明確だと、買い手側が支払いを後回しにするおそれがあります。その結果、売り手側の資金繰りが悪化します。
- 代金回収の困難さ:明確な支払期限がないと、未払い時の交渉が難航します。支払期限について合意がない場合、法的な請求が難しくなります。
- 与信判断の誤り:支払期限が定まっていないと、取引先の支払状況を適切に評価できません。与信判断を誤るリスクが高まります。
支払期限は、トラブルを未然に防ぐために欠かせません。請求書には明確な支払期限を記載し、曖昧さを排除する必要があります。
2. 請求書の支払期限の設定方法 4つのポイント
では、具体的にどのように支払期限を設定すればよいのでしょうか。支払期限の決定には、自社のキャッシュフローや取引先との関係性など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
ここでは支払期限の適切な設定方法について、4つの基本的な考え方を解説します。
- キャッシュフローを基軸に考える
- 業界水準と競合の動向をリサーチする
- 取引先との協議で最適な着地点を探る
- 法律の定めに従う(下請法・フリーランス法など)
2-1.キャッシュフローを基軸に考える
請求書の支払期限を設定する際は、まず自社のキャッシュフローを見据える必要があります。支払期限が長すぎると、売り手側の資金繰りを圧迫してしまいます。
【キャッシュフローを考慮するポイント】
- 支払いのサイクル:仕入れ代金の支払いサイクルに合わせて、売掛金の回収時期を設定します。仕入れ代金の支払いに窮しないよう、バランスを取ることが重要です。
- 売上規模:売上規模が大きい企業ほど、多額の売掛金を抱える傾向にあります。支払期限を短めに設定し、早期の資金回収を図る必要があります。
- 資金調達力:銀行借入など、外部からの資金調達力が乏しい企業は、支払期限を短くせざるを得ません。自社の財務状況を冷静に分析することが大切です。
支払期限の設定は、キャッシュフロー管理の根幹を成すものです。自社の財務状況を正確に把握し、無理のない支払期限を設けるよう心がけましょう。
2-2.業界水準と競合の動向をリサーチする
支払期限の設定に当たっては、業界の慣行や競合他社の動向を踏まえることも重要です。自社だけが突出して支払期限を短くしても、取引先に受け入れられない可能性があります。
【リサーチすべき情報源】
- 業界団体:多くの業界には、業界団体が存在します。団体が発行する資料や、セミナーなどで得られる情報は、支払期限の設定に役立ちます。
- 競合他社の請求書:競合他社との取り引きがある場合は、実際の請求書に記載された支払期限を参考にするのも一案です。(売り手側として)あまりに短い支払期限では、競争力を失います。
支払期限の設定は、業界水準を無視して行うことはできません。他社の動向を意識しつつ、自社に最適な支払期限を見いだしましょう。
2-3.取引先との協議で最適な着地点を探る
支払期限の設定は、売り手側あるいは買い手側の一方的な決定ではありません。協議を通じて、双方が納得できる着地点を探る必要があります。
【円滑な協議のための留意点】
- 取引先の事情:取引先の資金繰りや業務フローを考慮に入れます。一方的に支払期限を決めつけるのではなく、相手の立場に立って考えることが大切です。
- 交渉の余地:ある程度の交渉の余地を残しておくことも重要です。初回の提案で最終条件を提示するのではなく、歩み寄りの姿勢を見せましょう。
- 信頼関係の構築:支払期限の協議は、取引先との信頼関係を築く絶好の機会です。誠実な対応を心がけ、長期的な取り引きに結びつけることが大切です。
取引先との協議は、支払期限の設定に欠かせないプロセスです。Win-Winの関係を築くことを目指し、粘り強く交渉を進めることが求められます。
2-4.法律の定めに従う(下請法・フリーランス法など)
支払期限の設定に際しては、関連法令を確認し、ルールを遵守する必要があります。
なかでも、下請代金支払遅延等防止法(下請法)と、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)の規定は重要です。これらの法律は、不当な支払遅延を防止するための重要な規定といえます。
【下請法とフリーランス法に共通するルール】
- 支払期日の規定:親事業者(下請法)または特定受託業務事業者(フリーランス法)は、物品等の受領日(役務提供日)から起算して60日以内、かつできる限り短い期間内において、報酬の支払期日を定めなければなりません(下請法第2条の2、フリーランス法第4条1項)。
- 書面交付・契約条件の明示義務:親事業者または特定受託業務事業者は、発注時に支払期日等を記載した書面を交付する、または契約に必要な事項を事前に明示することが義務付けられています(下請法第3条、フリーランス法第3条1項)。
下請法とフリーランス法は、いずれも事業者間の公正な取り引きを促進するための法律です。これらの法律に抵触しないよう、適切な振込期限の設定を徹底することが重要です。
出典:「下請代金支払遅延等防止法」(e-Gov)(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000120)
出典:「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(e-Gov)(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)
2-5.補足1:休日や銀行休業日にあたる場合の取り扱い
支払期限が金融機関などの休業日にあたる場合、支払日を前倒しにするか後ろ倒しにするかは取引慣習によります。この点を請求書に明記しておくと、トラブルを未然に防げます。
【支払期限が休日の場合】
- 原則:支払期限が民法上の「休日」にあたる場合で、その日に取り引きをしない慣習があるときは、支払期限はその翌日となります(民法142条)。
- 休日の範囲:民法上の休日とは、日曜日と国民の祝日に関する法律に規定する休日のことを指します。
- 土曜日の扱い:土曜日は民法上の休日には含まれません。ただし、金融機関などの休業日となる場合が多いため、注意が必要です。
支払期限が休日に当たる場合の取り扱いを、請求書にわかりやすく記載しておきましょう。買い手側の支払遅延を防ぐうえで、有効な手段となります。
どのように取り扱うかは、あらかじめ取引先と協議しておくことが大切です。
出典:「民法」(e-Gov法令検索)(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
2-6.補足2:整理しておきたい「締め日」と「支払期日」の違い
請求書の支払期限を検討する際は、「締め日」と「支払期日」を理解しておく必要があります。
【締め日と支払期日の違い】
- 締め日: 請求書の対象となる取引期間の末日のことを指します。「取引を記録・集計する区切り」となる日付です。月の末日(月末)締めのほか、月中(10日・15日・20日など)に設定している企業もあります。
- 支払期日:実際に代金を支払う期限日を意味します。「支払期限」と同義の用語です。
たとえば、「月末締め翌月末日払い」という取引条件の場合、
- 締め日:毎月の末日(例:4月30日)
- 支払期日:締め日の翌月の末日(例:5月31日)
となります。つまり、4月1日から4月30日までの取り引きが4月末日で締められ、5月末日までに支払う必要がある、という意味です。
通常、請求書には締め日と支払期日の両方が記載されます。請求書の作成に当たっては、締め日と支払期日の意味を正しく理解し、適切に記載しましょう。
3. 請求書への支払期限の正しい書き方
支払期限の設定方針が決まったら、次は請求書への具体的な記載方法を確認しましょう。
- 請求書に必須の記載事項
- わかりやすい支払期限の表現
- 遅延損害金・手数料などの条件明記
3-1.請求書に必須の記載事項
請求書には、必要な記載事項があります。まずは、請求書としての体裁を整えることが重要です。
【請求書の記載事項】
- 宛名:請求先となる取引先の正式名称を記載します。
- 発行日:請求書を作成した日付を記載します。
- 取引内容:提供した商品やサービスの内容(名称・数量・単価など)を具体的に記載します。
- 請求金額:取引の対価として請求する金額を記載します。
- 請求者情報:自社の正式名称、住所、連絡先などを記載します。
- その他:取引内容や取引番号など、請求内容を特定するために必要な情報を記載します。
形式面の不備は、請求書の効力を左右しかねません。必要な記載事項を漏れなく記載するよう、細心の注意を払いましょう。
なお、インボイス制度に対応する場合は、登録番号や適用税率、消費税額などを記載する必要があります。事前に最新の要件をご確認ください。
3-2.わかりやすい支払期限の表現
支払期限は、取引先にとって一目瞭然となるよう、わかりやすく記載する必要があります。表現の工夫によって、支払遅延のリスクを軽減できます。
【支払期限の表現例】
- カレンダー方式:支払期限を具体的な日付で表示する方法です。「2025年4月30日まで」のように記載します。
- サイト方式:特定の起算日から、支払期限までの期間を記載する方法です。「ご注文日から7日以内」といった表現を用います。
- ◯日締め△日払い方式:締め日と支払期日を指定する方式です。毎月〇日締め、翌月△日払いのように表現します。
支払期限の書き方が曖昧だと、入金ミスやトラブルの原因となります。誤解のない最適な表現を選択しましょう。
3-3.遅延損害金・手数料などの条件明記
支払期限に関する条件を請求書に明記することもトラブル防止のために役立ちます。必要に応じて、支払遅延時の遅延損害金や手数料などを、請求書に記載しましょう。
【記載する支払条件の例】
- 遅延損害金:支払期限までに代金が支払われなかった場合に、遅延損害金を請求します。当事者間で別段の合意をすることも可能ですが、とくに合意がない場合には、法定利率(令和5年4月1日以降3%)での請求となります。
- 支払手数料:振込手数料など、支払いに付随する手数料の負担関係を記載します。振込手数料は支払側の負担とするケースが一般的です。
- 支払方法:銀行振込を求めることが一般的です。振込先の銀行口座情報を記載します。
支払側への確実な意思表示のためにも、必要な支払条件は請求書にしっかりと記載しておきましょう。
出典:「令和5年4月1日以降の法定利率について」(法務省)( https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00317.html)
4. 支払期限を過ぎて未払いが発生した際の対応策
請求書の支払期限を適切に設定しても、未払いが発生した場合、適切かつ迅速な対応が求められます。未払い発生時の具体的な対応方法を見ていきましょう。
なお、ここでは売り手側の視点での対処法を解説します。買い手側(支払側)で支払期限を過ぎた場合の対処法は、「請求書の支払期限が過ぎたらどうする?請求側・支払側それぞれの対処 」の記事をご確認ください。
- 初動で確認すべきポイント
- 督促の仕方:文書・電話・内容証明など
- 法的手段(支払督促・少額訴訟など)を検討するタイミング
4-1.初動で確認すべきポイント
取引先からの入金が確認できない場合、まずは次の点を確認する必要があります。
【未払い発生時の確認事項】
- 請求書の到着と内容の確認:自社側のミスによる請求漏れや記載間違いの可能性もあります。まずは請求書が取引先に到着しているかどうかを確認します。その請求書の内容が間違っていなかったかについても、確認しましょう。
- 支払手続きの進捗:取引先の経理担当者に連絡を取り、支払手続きの進捗状況を確認します。手続きの遅れや先方のケアレスミス、あるいは銀行側のシステムトラブルの可能性もあります。
- 支払意思の有無:単なるケアレスミスやシステムエラーではないことが判明した場合、取引先に支払う意思があるのかを確認します。支払えない理由がある場合は、その理由を具体的に確認しましょう。
丁寧に事実確認を行えば、その後の対応方針を適切に決定できます。
注意点としては、取引先に非があると決めてかからないことが重要です。意図せぬエラーの可能性を念頭に、丁重な態度で事実確認を行います。
4-2.督促の仕方:文書・電話・内容証明など
一方、未払いの事実が確定したら、すみやかに督促を行う必要があります。督促の方法としては、文書や電話、内容証明など、さまざまな選択肢があります。
【督促の具体的方法】
- 電話督促:取引先に直接連絡を取り、支払いを求める方法です。支払意思の確認や、事情聴取を行ううえでも有効な手段です。
- 文書督促:未払いの事実と、支払いを求める旨を記載した督促状を送付する方法です。記録が残るため、トラブル時の証拠資料となります。
- 内容証明:配達証明付きの書面で、支払いを求める方法です。訴訟に移行する場合の証拠資料としての効力が認められています。
状況に応じて、適切な督促方法を選択することが大切です。まずは穏当な方法から始め、徐々に法的措置を視野に入れた対応に移行するのが一般的です。
4-3.法的手段(支払督促・少額訴訟など)を検討するタイミング
督促に応じない取引先に対しては、法的手段の行使を検討する必要があります。ただし、安易に法的手段に訴えるのは得策とはいえません。
【法的手段のタイミング】
- 信頼関係の考慮:取引先との長期的な信頼関係を考慮する必要があります。一時的な資金繰りの悪化が原因の場合、柔軟な対応も必要でしょう。
- 訴訟コストの試算:訴訟には、弁護士費用をはじめとするさまざまなコストがかかります。回収可能額とのバランスを検討する必要があります。
- 時効の成立:時効の成立が間近に迫っている場合、法的手段に訴えざるを得ません。時効の中断を図ることが優先課題となります。
法的手段は、最終手段として位置付けましょう。取引先との関係性や、訴訟コストを総合的に勘案し、慎重に判断することが大切です。
5. 請求書の支払期限管理は「電子帳票管理システム」で効率化しよう
請求書の支払期限の管理や万が一の未払いの対応は、リアルタイムに状況把握して、問題が起きれば初動を早くすることが肝心です。
そのために推奨されるのが「電子帳票管理システム」です。以下のポイントを確認しましょう。
- 請求書の支払期限管理をアナログで行うのは非効率
- 電子帳票管理システムとは?
- 電子帳票管理システム導入のメリット
- 高精度で自動化できるAI機能付きがおすすめ
請求書の支払期限管理をアナログで行うのは非効率です。
未払い対応は初動が大切ですが、アナログ管理では初動が一歩、遅れてしまいます。たとえば、相手先が多数の未払いを抱えたまま倒産に向かっている場合、初動の早かった一部の債権者のみが代金回収に成功する、といったケースが生じます。
あるいは、支払側の請求書の場合、適切に支払期限を管理しなければ、未払いを起こすリスクがあります。一度でも未払いを起こせば、信頼の失墜から極めて深刻な経営問題に発展しかねません。
だからこそ、請求書の管理を効率化し、支払期限を適切に管理することが重要です。そのための有効な手段が、電子帳票管理システムの導入です。
5-2.電子帳票管理システムとは?
電子帳票管理システムとは、紙の請求書などをデジタルデータ化して一元管理するシステムのことです。
【電子帳票管理システムの主要機能】
- 電子化:紙の請求書をスキャンし、PDFなどの電子ファイルに変換します。OCR(光学文字認識)機能を活用して、請求書の内容をデータ化します。
- 一元管理:電子化した請求書データを、クラウド上などで一元管理します。請求書の検索や、支払状況の確認がスムーズに行えるようになります。
- ワークフロー:電子決裁機能などを用いて、社内の承認フローを電子化します。請求書の処理にかかる時間を大幅に短縮できます。
電子帳票管理システムは、請求書の電子保存を実現するだけでなく、業務全体の生産性向上に寄与するソリューションです。
5-3.電子帳票管理システム導入のメリット
電子帳票管理システムを導入すると、次のようなメリットが期待できます。請求書の支払期限管理の効率化に直結するものばかりです。
【導入メリット】
- 検索性の向上:請求書を電子化すれば、取引先名や金額などのキーワードで簡単に検索できるようになります。支払期限の確認もスムーズに行えます。
- リアルタイムの把握:ネットワーク上で一元管理されるため、支払状況をリアルタイムで把握可能です。未払いの発生を見逃すリスクが低減します。
- ペーパーレス化:電子帳簿保存法の要件を満たして電子保存すれば、紙の請求書を保管する必要がなくなるため、保管スペースの削減やコスト削減が期待できます。
電子帳票管理システムは、支払期限管理の効率化に大きく寄与します。早期の導入を検討し、業務改善を図ることが大切です。
5-4.高精度で自動化できるAI機能付きがおすすめ
電子帳票管理システムには、AI機能を搭載したものもあります。高精度の文字認識機能や、自動抽出機能など、業務の自動化を支援する機能が搭載されています。
【AI機能のメリット】
- OCR精度の向上:従来のOCRに比べ、AIを活用したOCRは文字認識精度が格段に高くなっています。請求書の電子化をスムーズに行えます。
- AI自動抽出機能:AIが請求書の内容を分析し、タイトル・分類・取引先企業名・取引年月日・取引金額・インボイス登録番号などを自動抽出します。
- 処理スピードの向上:人手に頼る作業を自動化し、全体的な処理スピードの向上につながります。
具体的なソリューションとしては、AI電子帳票管理システム「OPTiM電子帳簿保存」が挙げられます。
OPTIM電子帳簿保存は、請求書などの取引書類をアップロードするだけで、電帳法対応に必要な項目や、管理に便利な項目をAIが抜き出し、安全に取引情報を管理できるサービスです。
さまざまな取引情報の電子帳簿保存に対応しており、請求書の支払期限の管理に最適です。詳しくは以下のリンクより資料をダウンロードしてご確認ください。
6. まとめ
本記事では「請求書の支払期限」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
最初に基本事項として以下を解説しました。
- 請求書における支払期限とは、取引先に対して代金の支払いを求める期日のこと
- 支払期限は、売り手側と買い手側双方の資金繰りに直結する重要な事項
- 支払期限が過ぎた請求がある場合、そのまま放置すればやがて権利が消滅してしまう
請求書の支払期限の設定方法として、4つのポイントを解説しました。
- キャッシュフローを基軸に考える
- 業界水準と競合の動向をリサーチする
- 取引先との協議で最適な着地点を探る
- 法律の定めに従う(下請法・フリーランス法など)
請求書への支払期限の正しい書き方として以下のポイントを解説しました。
- 請求書には、必要な記載事項を漏れなく記載するよう、細心の注意を払う必要がある
- 支払期限は、取引先にとって一目瞭然となるよう、わかりやすく記載することが大切
- 支払遅延時の遅延損害金や手数料など、支払条件は請求書に明記しておくことが望ましい
支払期限を過ぎて未払いが発生した際の対応策として、以下を解説しました。
- 未払い発生時は、請求書の状況や手続き状況・支払意思の有無を丁寧に確認することが重要
- 未払いの事実が確定したら、状況に応じた適切な督促を行う必要がある
- 最終的には法的な手段によって解決を目指す
請求書の支払期限管理は「電子帳票管理システム」の導入が推奨されます。
- 請求書の支払期限管理をアナログで行うのは非効率であり、未払い対応の初動が遅れるリスクがある
- 電子帳票管理システムとは、紙の請求書などをデジタルデータ化して一元管理するシステム
- 電子帳票管理システムの導入により、支払期限管理の効率化と業務全体の生産性向上が期待できる
- AI機能を搭載した電子帳票管理システムは、業務の自動化を強力に支援する存在
請求書の支払期限の設定と管理は、キャッシュフロー改善と取引先との信頼関係構築に直結する重要な課題です。電子帳票管理システムを活用し、支払期限管理の効率化と、トラブル防止を図っていきましょう。