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エッジAIカメラとは?
仕組みやクラウドAIとの違い、活用例などを解説

製造現場や小売店舗など、さまざまな業種でAIカメラの活用が広がる中、クラウドを介さずに映像解析を行えるカメラシステムとして注目されているのが、エッジAIカメラです。

エッジAIカメラは、防犯や監視だけでなく、人流分析、品質検査、業務効率化など、幅広い用途で導入が進んでいます。ただ、クラウドAIカメラとの違いや、自社の用途に適しているかを正確に理解している方はまだ多くないかもしれません。

この記事では、エッジAIカメラの仕組みやクラウドAIカメラとの違い、活用シーンなどを解説します。

1. エッジAIカメラとは、端末上でAI解析を行うカメラシステムのこと

エッジAIカメラとは、AIを搭載したカメラそのものや、カメラと連携する解析用端末などが、撮影した映像をその場で解析できるカメラシステムです。なお、エッジAIとは、クラウド上ではなく端末上でAI処理を実行できる技術を指します。

通常のクラウドAIカメラでは、映像データをクラウドに送信して解析する必要があります。一方、エッジAIカメラではカメラなどの端末に搭載されたAIが映像を解析するため、通信遅延が少なく、リアルタイムでの解析が可能です。そのため、防犯や事故防止など、迅速な判断が求められる用途には特に適しているといえるでしょう。

2. エッジAIカメラとクラウドAIカメラとの違い

エッジAIカメラの導入を検討する際には、クラウドAIカメラとの違いを理解することが重要です。両者はいずれもAIを使って映像を解析できるカメラシステムですが、AI処理を行う場所や通信の仕組みが大きく異なります。

クラウドAIカメラは、撮影した映像データをインターネット経由でクラウドに送り、クラウドにあるサーバーでAI解析を行う仕組みです。一方、エッジAIカメラは、カメラ本体やカメラと連携する端末上でAI処理を行います。このAI処理を行う場所の違いによって、処理速度や通信コスト、セキュリティなど、さまざまな特性の差につながります。

両者の特性の主な違いは下表のとおりです。

■エッジAIカメラとクラウドAIカメラの特性の違い
観点 エッジAIカメラ クラウドAIカメラ
処理場所 カメラ本体やカメラと連携する端末上 インターネット経由のクラウド上
処理速度 リアルタイム(遅延が少ない) 通信往復分の遅延が生じる
通信コスト 映像送信が少ないため低い 大量データ送信で高くなりやすい
処理能力 端末スペックに依存するため上限がある クラウドリソースで柔軟に拡張可能
セキュリティ 映像を外部送信しない構成が可能 通信経路のセキュリティ対策が必要
初期コスト 高性能端末の調達費用がかかる 端末費用を抑えやすい

どちらが優れているかは、AIカメラを導入する目的や用途によって異なります。リアルタイム性や通信負荷の軽減を重視するならエッジAIカメラ、拡張性や初期コスト面を重視するならクラウドAIカメラが適しているといえるでしょう。

3. エッジAIカメラのメリット

エッジAIカメラには、クラウドAIカメラにはない特徴的なメリットがあります。導入を検討する際は、自社の用途に合うかどうかを、以下のメリットを踏まえて検討するといいでしょう。

3-1. リアルタイムでの高速処理が可能になる

エッジAIカメラの最大の強みは、リアルタイムでの高速処理が可能な点です。

クラウドAIカメラでは、映像データをクラウドに送信してから処理結果を受け取る必要があるため、通信遅延が発生します。一方、エッジAIカメラは端末上でAI解析を行うため、タイムラグが少なく、即時に検知・判断が可能です。

製造ラインの異常検知や侵入検知など、わずかな遅れが事故や損失につながる状況下では、このリアルタイム性が大きな強みになります。

3-2. 通信コストを削減できる

エッジAIカメラは、クラウドに送信するデータ量を大幅に削減できるため、通信コストの削減が期待できます。

クラウドAIカメラでは、映像データをクラウドへ常時送信するケースが多く、通信量が膨大になりがちです。そのため、従量課金型のネットワーク環境では通信コストが増加しやすくなります。

一方、エッジAIカメラは端末上で処理を行うため、クラウドへ送信するデータも限られており、通信コストの削減につながります。特に、24時間稼働する監視用途や、複数拠点への展開では、クラウドAIカメラよりも通信コスト削減の効果が大きくなるでしょう。

3-3. 情報漏洩リスクを低減できる

エッジAIカメラは、情報漏洩リスクを低減できる点もメリットのひとつです。

クラウドAIカメラでは、映像データがインターネット経由でクラウドに送られるため、通信経路やクラウド環境のセキュリティ対策が重要になります。

一方、エッジAIカメラは映像データを外部に送信しない設計ができ、通信途中での盗聴や流出リスクを大幅に減らせます。そのため、医療施設や金融機関、製造業の機密エリアなど、データ管理が厳格に求められる環境でも導入しやすいでしょう。

4. エッジAIカメラのデメリット

エッジAIカメラには複数のメリットがある一方、処理能力やコスト面では注意すべき点もあります。導入前には、メリットだけでなく、デメリットも正しく把握することが大切です。

4-1. 処理能力に上限がある

エッジAIカメラは、処理能力に上限があるという点がデメリットのひとつです。カメラや解析用端末に搭載できるAIチップの計算リソースは限られており、複雑なAIモデルや大量のカメラの同時解析には向かない場合があります。

クラウドAIカメラであれば、必要に応じてクラウド側の計算リソースを拡張できますが、エッジAIカメラは端末のスペックが上限です。そのため、解析できる映像数や認識精度にも制約が生じる場合があるでしょう。

この課題を解決するために、近年ではひとつのAIカメラがエッジとクラウドの両方を活用するハイブリッド構成に対応した製品も登場しています。リアルタイム検知は端末上で行い、長期的なデータ分析はクラウド上で行うことで、用途や環境に応じてバランスよく活用できる点が特長です。

4-2. 初期費用が高くなる場合がある

エッジAIカメラは、高性能な端末が必要になるため、初期費用が高くなる場合があります。クラウドAIカメラと比べて、端末の調達費用が高くなりやすく、必要な台数が増えるほど初期費用が膨らみやすい点には注意が必要です。

また、AIモデルの機能拡張や精度向上の際に、端末のファームウェア更新、機器交換などが必要になるケースもあります。一方、クラウドAIカメラであればソフトウェアのアップデートで対応できる場合もあり、端末の更新コストを抑えられます。そのため、全体の運用コストを含めた比較検討が重要です。

5. エッジAIカメラの活用シーン

エッジAIカメラは、リアルタイム処理が求められる用途や、通信制約がある環境などで特に効果を発揮します。ここでは、エッジAIカメラの活用シーンとして代表的な例を紹介します。

5-1. 施設の混雑可視化と人流解析

小売店舗、商業施設といった場所では、来店者数のカウントや混雑状況の可視化にエッジAIカメラが活用されています。リアルタイムで映像解析を行える特性を活かし、特定エリアへの集中や行列の発生を即座に検知できます。スタッフの配置変更や案内誘導はもちろん、店舗の動線分析、レイアウト最適化などにも活用できるでしょう。

また、交通量の少ない時間帯の来店傾向など、従来は把握しづらかったデータを取得できるため、マーケティング施策の精度向上も期待できます。

5-2. 施設や拠点のセキュリティ強化

無人店舗やオフィス、倉庫などのセキュリティ用途でも、エッジAIカメラの導入が広がっています。

エッジAIカメラは、立ち入り検知や不審者検知などをリアルタイムで行えるため、異常を検知した瞬間にアラートを出せます。映像解析の際にクラウドへの通信が不要なため、ネットワーク障害時でも機能を維持できるのは、エッジAIカメラならではの強みです。

5-3. 製造現場の安全確保

製造業では、危険エリアへの侵入検知や作業員の姿勢検知など、労働災害の未然防止にエッジAIカメラが貢献しています。

例えば、ヘルメット未着用や危険な体勢などを検知した際にアラートを出すことで、重大事故を未然に防げます。製造業では、わずかな検知の遅れが重大事故につながる場面も多く、クラウドへの通信が不要なエッジAIの高速性が活きる分野です。映像データを蓄積・分析すれば、重大事故には至らなかったものの危険な状況であったヒヤリハット事例の傾向把握にも活用できます。

6. エッジAIカメラ導入時の選び方

エッジAIカメラを選ぶ際は、製品のスペックだけでなく、自社の用途や環境、将来の拡張性を含めて検討しなければなりません。ここでは、エッジAIカメラを選ぶ際の主なポイントを紹介します。

6-1. 処理能力とコストのバランス

エッジAIカメラを選ぶ際は、まず「何を検知・分析したいのか」を明確にすることが重要です。用途によって必要な処理能力が大きく変わるため、それに応じてカメラや解析用端末のスペックを選定する必要があります。

例えば、人数カウントや侵入検知など、比較的シンプルな用途であれば、標準的なエッジAIカメラでも十分に対応できます。一方で、複数人物の属性分析、高速ラインの外観検査といった、より高度な解析を行う場合は、高性能なGPUやAIチップを搭載した端末が必要になるケースも少なくありません。

処理能力が高い端末ほど機器にかかるコストが上がるため、必要以上に高性能なシステムを導入すると、コストが過剰になるおそれがあります。導入時には、求める処理能力だけでなく、機器費用や運用コストとのバランスを見極めることが重要です。

近年は、エッジAIとクラウドAIを組み合わせたハイブリッド型のAIカメラも増えています。リアルタイム検知は端末上で行い、蓄積データの分析や高度な処理はクラウド上で行うことで、処理能力とコストの両方を最適化できるでしょう。

6-2. 既存の監視カメラとの互換性

既存の監視カメラとの互換性があるかも、エッジAIカメラ導入時に確認したいポイントです。

すでに施設内に監視カメラが設置されている場合、既存カメラの映像をそのまま活用できる製品であれば、AI解析用の機器やサービスを追加するだけで導入できます。こうした製品を選べば、機器の入れ替えコストを抑えながらエッジAIカメラを導入できるほか、一部のカメラから段階的にAI活用を進めるといった運用もしやすくなります。

一方で、AI解析専用のカメラが必要なシステムでは、既存設備の入れ替えが必要になる場合もあるでしょう。そのため、導入前には既存カメラとの互換性や接続方式、対応しているカメラメーカーなどの確認が欠かせません。

7. エッジAIカメラの特徴を理解し、業務の課題解決に活かそう

エッジAIカメラは、リアルタイム性や通信コストの削減などのメリットがあります。一方で、処理能力、初期費用などの制約もあるため、自社の用途や運用環境に合わせて、適切な製品選びが重要です。

近年は、エッジAIによるリアルタイム解析とクラウドによるデータ分析を組み合わせたハイブリッド構成のAIカメラも増えています。端末上での高速な検知と、クラウドでのデータ活用を両立できるため、マーケティング分析や業務改善など、より幅広い用途での活用が可能になるでしょう。

OPTiM AI Cameraシリーズ

こうしたハイブリッド構成に対応した製品のひとつが、「OPTiM AI Cameraシリーズ」の「OPTiM AI Camera Enterprise」です。侵入検知や滞在時間検知、混雑検知といった映像解析を実現できるほか、大規模施設、複数拠点での運用など、より高度なデータ活用を行いたい場合にも適しています。

同シリーズには、混雑状況の可視化に特化したプランもあり、用途や環境に応じて選択可能です。既存の監視カメラを活用しながらAIでの画像解析を導入できるケースもあるため、施設運営や店舗運営のデータ活用をスムーズに始められます。

AIカメラを活用した混雑対策や人流分析、業務効率化を検討している方は、ぜひ「OPTiM AI Cameraシリーズ」の導入をご検討ください。

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